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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 少年陰陽師*双月恋妖絵巻* ( No.147 )
- 日時: 2012/02/13 12:51
- 名前: 翡翠 (ID: d6rzi/Ua)
〜風音〜
足を進めているうちに、強まる気配が確かにあった。
それは、邪悪な妖気と神々しいまでの神気。
そのどちらもが同じ場所に集っているのが、手に取るようにして分かった。そして、もう一つ。よく知る、危うい気があった。
……天狐の気。
その力と力の間で微かだけど感じられる炎が意味するのはその場に役者が揃っているということ。
急がなければならない。手遅れになるまえに。
「急ぎましょう」
今夜は月の出ない暗闇が支配する日。
聖域から離れたこの森の奥では、道反の大神の加護も届かない。
……日が完全に落ちる前にせめて、昌浩だけでも取り戻さなければ。
警鐘は鳴り続ける。
そして、鼓動が跳ね、力と力のぶつかり合いをこの目で確かめたとき予感した。……再びこの地が妖気に染まることを。
——下手な動きをすれば、死者がでるかもしれないということを。
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