二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 少年陰陽師*双月恋妖絵巻* ( No.148 )
日時: 2012/02/17 20:57
名前: 勾菜 (ID: DBM1eX7d)

〜麗菜〜

時は満ちた。
全ての終焉への役者も皆そろった。

あとは誰がどう動くかがこの終焉の最期を決める。

私は櫻の中から全てを見ていた。

すさまじいまでに神々しい神気。
それは、この身に宿る力と同じ波動。
それだけで私にはわかった。
この人…緤菜に憑依した人物こそ、私達の父さまだと。

母さま…貴女に教えてもらった意味がわかったわ。

私は…ここからでなきゃいけない。
謝らなければ…勾玉を託したあの人に。
何も言わずに私は消えてしまったから。
愛想を尽かされていても…それでも。
謝りたい。
夢ではなく、直接会って。
心配を掛けてしまった、あの子にも。
怒られてもいい。
ただ、泣かないでほしい。
もう一度二人で笑いたい。
ただ、それだけのこと。
命の危険にさらしたあの子にも。
ああ、そうだ。
彼のおじい様にも謝らなければ…
他にもたくさんたくさん…

ああ、私はこんなにやらなきゃいけないことがあるのね。
だからどうか。
どうか、もう一度。
もう一度だけ、私にやり直させて。

ここから見ているだけで、大切な人が傷ついていく。
そんなの嫌なの…


誰か…私の声を聞いて——この声を…!