二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 少年陰陽師*双月恋妖絵巻* ( No.149 )
日時: 2012/02/17 21:27
名前: 翡翠 (ID: rYIsGLH8)

〜緤菜〜

全てを委ねた私はの意識は体のずっと奥深くに落ちていった。
そうして、初めて聞こえた声があった。
それは、私のよく知る優しい声。ずっと聞きたかった声。

……麗菜の心の声。
昔、私がまだ幼い日、おぼろげな記憶の中で母様が言っていた。

『大切な人同士の夢は繋がっているの』

と。まだ、言葉を覚えたばかりの私は首を傾げるだけだったけど、今ならどうゆうことなのか分かる気がした。
 どんなに離れ離れになってもその人のことを強く強く思っていれば、心は通じ合うんだ。

それだけのことなのに私は忘れてしまっていた。
焦るばかりで麗菜の気持ちなんて少しも考えられてなかった。
だから、気付けなかった。麗菜の心に。思いに。

きっと、私じゃない誰かも麗菜の声を聞いているだろう。
だって、今、麗菜に本当に必要なのは私の思いではないから。
別の誰かの思いだから……。

だから、お願い。
麗菜の声に気付いてあげて……。
私はもう少しだけここに居るから。

















——もう一度、必要とされて名前を呼ばれるまでは。