二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 少年陰陽師*双月恋妖絵巻* ( No.154 )
日時: 2012/02/21 21:21
名前: 勾菜 (ID: ezAGn.q4)

〜麗菜〜

私達は皆のいる場所へと駆けていた。
なぜか、櫻が眠ったのにも関わらず私の髪と瞳の色は変わらないままだった。

ようやく、そのそばに近づき金髪の緤菜と睨みあう珠櫻妃を見つけたとき。
緤菜…否、父様がこちらを見た気がした。

瞬間、白に染め上げられる視界。

この力の本流は『時』。
時司大神の神気。

この力は…私の霊力と似ている。
だからだろうか、不思議と力がみなぎった。

ハッとして、隣に立つ宵藍に触れる。

その大きな神気の本流が唸りを上げて、珠櫻に襲いかかっていく。

私は自分の推測があっていることを祈って、地を蹴った。






きっと、これは父様から託されたこと。
今この場にいる中で、『時』の力の中で自由に動けるのはきっと私だけ。
ならば、珠櫻の動きが止まった一瞬が勝負。



ずっと頼ってきたあの子は今、傍にはいないけれど。

心はずっと傍にあることを感じている。

あの子と同じくらいに大切なあの人も、私を見てくれている。


これだけの人に自分は支えられているのだ。
そう思えば、恐怖など浮かんでこなかった。




















それでも、地を蹴る一瞬 強く。 強く。 名を呼んだ。 ずっと呼び続けた 言霊を。








—————緤菜!!