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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 少年陰陽師*双月恋妖絵巻* ( No.157 )
- 日時: 2012/02/25 13:24
- 名前: 翡翠 (ID: Pr1SsiXj)
〜緤菜〜
昌浩のすぐ傍に来たときに感じた悪寒。
それは、段々と強まって、昌浩の肩に私の手が触れたとき、止まっている時が逆回りにゆっくりと動き出した気がした。
そして、鈍い金属音が近くで聞こえた。
咄嗟にそちらを向く。
音のする方から漂ってきたのは妖気と神気の入り混じったもので、とても圧力があるものだった。
その力の持ち主の姿と状況を見るなり理解した私は激しく後悔した。
女とも男とも言えない、中世的な顔立ちをしていて、身長の高めの者が麗菜の首筋に刃を向けていた。
そいつから放たれた気は、二つの知ったものだった。
……これは珠櫻と時司大神の……妖気と神気だった。
父様は言っていた。珠櫻の体内に入り込む、と。
だけど、それは失敗する可能性も十分にあるのだと言っていた。
そして、今の状況……父様は失敗してしまったのだろうか?
そうして、取り込まれてしまったのだろうか?
色々な疑問と麗菜を助け出すために動かなければならないという思いの両方に揺り動かされて、立ち止まってしまった。
瞬間、麗菜に刃を向ける人物と……おそらく、珠櫻と視線が交わった。
目が合った瞬間、向けた刃を振り上げ、麗菜の首筋へと振り下ろそうとする。それを目前にしてようやく私の体は動いた。
駆け出していた。麗菜の元へ。
だけど、どう考えても間に合わない……!
そう思った時、ぎゅっと無意識に瑠璃の手鏡に力を込めていた。
誰でも良い、麗菜を助けてっ!!
そう、胸の中で叫んだとき、瑠璃の手鏡が光を放ち……奇跡は起きた。
麗菜の首筋へと振り下ろされた刃をギリギリのところで止めたのは、瑠璃の光を纏った青き神将——青龍だった。
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