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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 少年陰陽師*双月恋妖絵巻* ( No.16 )
- 日時: 2011/03/22 03:30
- 名前: 翡翠 (ID: V34pA3mQ)
〜緤菜〜
屋敷の中に入ると、すぐに安倍晴明の元へ案内された。
「晴明様、昌浩様が戻られました」
金髪の女性の言葉の後、老人の声が聞こえてきた。
「戻ったか、中に入ってきなさい」
老人の言葉に昌浩が答える。
「ただいま戻りました、失礼します」
そう言うと、一度頭を深く下げ襖を開ける。
中に入る昌浩に続くようにしてもっくんと、神将が室内に入る。
私達はその後に続くようにして室内に入った。
部屋にはいろいろな資料や道具などがあった。
そしてその中央に老人…安倍晴明が座っていた。
「はて、そちらの二人は…」
室内に入ってきた私達二人を見て安倍晴明は言う。
晴明は、穏やかな表情で私達二人を凝視していた。
そんな姿を見て思うのは、
この人が稀代の大陰陽師、安倍晴明。
じっと、顔を凝視していたときだ。
バタバタと、廊下の方で足音がした。
足音は、こちらに近づいてきて…。
「晴明様、あの、昌浩のことを露木様がお呼びで…」
室内に現れたのは昌浩と同い年くらいの少女だった。
少女は私達の姿を見たきり硬直してしまう。
「あの、私…」
戸惑ったような慌てた声音で言う少女に晴明は穏やかに言った。
「大丈夫ですよ、落ち着いてください」
晴明の言葉に少女は「ほぅ」と息を吐き出した。
「さて、まずはお二人がどうしてここに来たのかを聞きましょうかのぅ」
晴明の言葉に私達二人は気を引き締めて話し始めるのだった。
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