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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 少年陰陽師*双月恋妖絵巻* ( No.38 )
- 日時: 2011/03/26 22:22
- 名前: 勾菜 (ID: wkhjenUE)
- 参照: http://www.kakiko.cc/bbs3/index.cgi?mode
〜麗菜〜
緤菜が去った後、晴明とたわいもない会話をしていた時のこと。
ゾクりと背筋に悪寒が走る。
「っ———!」
「何事じゃ…!」
ふと、脳裏によぎったのは、先日の黒い妖怪。
「あいつっ…」
そのまま、駆けだそうとする。
が、青龍によって、止められる。
「行くな。」
「行かせてっ!お願いよっ」
「また、倒れたらどうするつもりだ。」
「だめ、今度は…安倍家にめいわくがかかるっ!」
そう叫ぶと青龍は、いらだちを隠さない様子で言い放つ。
「ふざけるなよっ!」
「だから、行かせてって言ってるのよ!」
そんななか、一人落ち着いた様子の晴明は、静かにこう言う。
「麗菜殿、私はあなた方に協力するのですよ。ですから、一人で行かれては困ります。」
「晴明殿!」
「…ですから、私はあなた方に青龍をつけようと思います。」
「え…そんな…」
思いもよらない晴明からの申し出。
「それは、青龍も承知してくれたのですか…?」
「ええ、もちろん。」
「…晴明。」
「ふぉっふぉっ。お前も、すぐ了承したではないか。」
「黙れ。」
「麗菜殿。…いくら、青龍をつけたからといっても無理はしないでくださいね。」
「ありがとうございます、晴明殿…
…青龍も、ありがとう。」
「…行くんだろう。」
「えぇ…行ってまいります。」
そう言う、麗菜の顔はどこか、毅然とした顔をしていた。
* * *
「まずは、緤菜のところに行こう。」
「…ああ。」
私達は緤菜のもとに向かう。
だが、青龍の足が止まる。
「青龍…?」
「…俺は、行かない。お前だけで行け。」
「…わかったわ。待ってて。」
そうして、私だけで、緤菜の元へたどり着く。
「緤菜————」
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