二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 少年陰陽師*双月恋妖絵巻* ( No.43 )
日時: 2011/03/27 22:53
名前: 翡翠 (ID: 2aIbLYIF)

〜緤菜〜

…夢を見た。

夢の中で私は麗菜の姿を見つける。
その姿を見つけた瞬間私は駆け寄っていた。

「麗菜!」

名前を呼ぶ。
けど、反応が無い。
様子が明らかに可笑しかった。

「…麗菜?」

何か不穏な空気を感じた私は麗菜の顔を覗き込む。
そして、麗菜の表情を見た瞬間私は硬直した。
そう、麗菜の頬には一筋の涙がつたっていた。


*    *     *

「くそっ!」

苛立たしげに白い尾をピシリと振る物の怪の姿があった。

「もっくん?」

昌浩の呼びかけにも物の怪は答えようとしない。

「俺が傍にいながら、何もできなかった!」

悔やむ姿はあまりに痛々しくて昌浩は見ていられなくなっていた。
昌浩は物の怪の白い身体に手を伸ばすとぎゅと胸の中に抱え込んだ。

「…昌浩?」

訝しげに聞いてくる物の怪に昌浩は言った。

「何もできなくて悔しいなら、助けに行けば良いんだよ。きっと緤菜さんだって、もっくんの助けを待ってる」

昌浩の言葉に物の怪は軽く目を見開いた。

「…そう、だな。助けに行けば良いんだよな」
「そうだよ、もっくんは十二神将最強なわけだし、すぐ助けられるって!」

昌浩のやけに気合の入った言葉に物の怪もいつもの調子で言った。

「あぁ、俺を誰だと思ってる?」



その後、二人は麗菜や晴明の元に行くのだった。