二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 少年陰陽師*双月恋妖絵巻* ( No.44 )
- 日時: 2011/03/28 21:37
- 名前: 勾菜 (ID: o.w9FXPe)
- 参照: http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%89%9B%E9%AC%BC
〜麗菜〜
私は意識を失い、私たちに与えられた部屋に運ばれた。
私は、夢の中で緤菜にあった気がした。
否、近くにいたような気がしただけ。
そう、これはただの願望。
母が死んでからずっと、二人で生きてきた。
なのに、今、私は独りきり。
うわ言のように繰り返すのは『緤菜』という名前。
私の目からは、とめどなく涙が流ていた。
* * *
晴明たちは、私を運び込んだ部屋にいた。
ただ、ひたすら何も言わず、無言だけが支配する部屋。
そのとき、青龍が穏形し、異界に戻る。
(…その間、約1秒w)
それと同時に、昌浩と物の怪が現れる。
「失礼します、じいさま。……え、麗菜さん?」
まず、昌浩の眼にうつったのは、褥に横たわった麗菜の姿だった。
「え、なんで麗菜さん、褥に…」
その問いに答えたのは晴明。
「わしが、無理やり寝かせたのじゃ。」
「え、なんでですか?」
独りだけその場にいなかった昌浩には、いまいち状況がつかめないらしい。
すると、ため息をひとつつき、物の怪が説明を始める。
「はぁ…だから、麗菜はだな、緤菜がいなくなったせいで恐慌状態に陥ってだな…」
「ああ…なるほど。」
と、そこでようやく昌浩は理解した。
「昌浩…わしは緤菜殿を連れ去った妖について占ってみることにする。一緒においで。
…宵藍、おまえは麗菜殿についていておくれ。」
そう言って、晴明は自室へと戻っていく。
部屋には、再び沈黙が支配した。
それから、しばらくして麗菜は目覚めた。
「ん……」
「気がついたか」
その言葉にハッと麗菜は飛び起きる。
「緤菜はっ…」
そう言うと私は青龍につかみかかる。
「緤菜は、どこなのっ…」
泣きながら同じことを何度も問う。
青龍は、あくまで淡々と静かに返す。
「落ち着け。…今、晴明が占じている。」
「晴明様が…」
「ああ。」
そこで、しばらくの沈黙が支配する。
「あのね……幼い時の夢をね…みたの。」
ふいに、麗菜は幼い子供のような口調で話しだす。
「あの日の夜…アイツが現れてね…母さまを殺していったの。
アイツは笑っていたの…母さまの血にまみれて。
…アイツは私たちを殺さなかった。…そのかわりに呪縛を残していった…
……アイツは、人を殺すことに喜びを覚え、人の心を操り惑わす。
呪縛を残し、それを通して操ることも可能なのよ…私たちにはその可能性があるの…」
そう言うと、少し間を空けて再び麗菜は口を開く。
「その妖怪の名を、牛鬼という……。」
すべてを語り終えたような顔をした麗菜。
その顔はどこか神秘的な顔だった。
青龍はふと、疑問に思ったことを口にした。
「お前の母親は、いったい何者だ。」
「私たちの母さまはね、何処かの巫女の血をひいていたらしいわ…」
そう言うと麗菜は口を閉ざす。
「……晴明様のところへ行くわ。青龍、ついてきて?」
先ほどまでの暗い表情ではなく、少しだけ切なげに微笑みながら青龍へ話しかける。
「ああ。」
そう言い、二人は晴明のところへ向かった。
〜〜妖怪の牛鬼について〜〜
↑のURLは、牛鬼のことについて載ってます。
多少、私が都合のいいように書き加えたところがこの小説には含まれます。
ご了承ください。
〜〜翡翠へ〜〜
勝手に、妖怪の名前、考えてしまった;;
ごめん…((泣))