二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 少年陰陽師*双月恋妖絵巻* ( No.45 )
日時: 2011/03/28 22:21
名前: 翡翠 (ID: /QbsIKZ4)

〜緤菜〜

目が覚めた私が見たものは溢れるような妖怪の群れだった…。

『オンナガメザメタゾ!』
『ウマソウナニオイダ』
『クッテシマオウカ…』

妖怪達は飢えた様に私の目の前にまで移動してくる。
私は刀印を結ぼうとして霊力が底をついていることと、身体の自由が全く利かないことに気がついた。

「なっ!」

身体が動かないから視線だけを自らの身体に向ける。
…私の身体は妖気の鎖で拘束されていた。
鎖を断ち切ろうと試みて見るが、逆に身体の節々に妖気がまわってきて眩暈を起こす。

「……!」

視界がぐらりと一度揺れた。
それでも、何とか意識を保っていると、

『目が覚めたか、娘よ』

脳裏に直接響く声がある。
その声は神気に満ちていた。

…その声は…

心中で声に応じるすると、声の主は言ったのだ。

『助けてほしいか?娘よ。我は助けを求めるのならその声に応じようぞ
…ただし、条件がある、その条件に緤菜、お前が答えるというのなら、我は力を貸そう』

願っても無い申し出だった。
今はどんな手段を使ってでもこの状況をどうにかしたい。
そして、麗菜に会いたい。

そう考えた私の返事はもちろん最初から決まっていた。



——条件を承諾します。ですから、お力をお貸しください。



そう、言い終えた瞬間身体を溢れるような神気が包み込むのを感じた。








*       *      *


勾菜

良いよ、大丈夫。
妖怪決めてくれてありがとう。
私の方こそ無茶苦茶な展開にしてごめん><