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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 少年陰陽師*双月恋妖絵巻* ( No.51 )
- 日時: 2011/04/02 01:43
- 名前: 翡翠 (ID: BTu85InX)
〜紅蓮〜
安倍邸の屋根の上、俺は遠くを見据えながら座っていた。
「……」
考えるのは緤菜のことだった。
何故考えるのかは自分でも良く分からなかったが、やけに気になった。
「俺が着いていながら、情けない…」
あの時、緤菜が連れ去られたとき、俺は傍に居ながらどうすることもできなかった。
その事実がすごく、苛立った。
「何をぶつぶつと言っているんだ、お前は」
「…勾」
神気が降り立つと同時に顕現したのは、十二神将、紅一点の勾だった。
「らしくないぞ、場所の特定ができたらしい、先ほど晴明が言っていた」
勾の言葉に俺は尾をぱたりと一度振った。
「本当か」
「あぁ、助けに行くのだろう?」
「…行く、だが、昌浩は…」
俺の言いたい事が分かったんだろう。
「昌浩の事は心配するな、私がお前が留守の間は昌浩の護衛に勤めよう」
「頼む」
そう言って、勾から晴明が特定したという場所を聞き、俺はその場所に向かった。
その頃、緤菜の姉である麗菜にも異変が起きていることなど、知るはずもなかったんだ。
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