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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 少年陰陽師*双月恋妖絵巻* ( No.53 )
- 日時: 2011/04/02 23:37
- 名前: 翡翠 (ID: voMTFyIk)
〜緤菜〜
ぼやけた視界の中には牛鬼ではなく、麗菜がいた。
麗菜の傍らには王龍様も居る。
私は二人の元に駆け寄ろうと試みる。
けど、どうしてか、二人に近づく事はできない。
近づけないどころか、声すら出せなかった。
* * *
『我が弾き出された、だと…』
「……」
『貴様…緤菜に何をした?』
緤菜の身体から弾き出された王龍は明らかに緤菜の様子がおかしいことを悟り、牛鬼に問いかけた。
「貴様に答える義理はないわ」
それだけ言うと牛鬼はニヤリと笑い、言った。
「さぁ、宴の始まりだ。憐れな双子の姉妹の殺し合いの、な」
『双子の姉妹だと…?』
王龍は怪訝そうにそう呟くそれと同時に王龍の周辺に強力な妖気の結界が現れた。
『ちっ…小細工を』
「仮にも神だからな、貴様は宴の邪魔をされては迷惑だ、精々そこで傍観しているんだな」
牛鬼はそう言うと、誰も居ない自らの傍らに視線を移し言ったのだった。
「我が傀儡よ、あそこに佇む片割れを始末するが良い」
「はい、牛鬼様…」
牛鬼の言葉によって表れたのは麗菜だった。
王龍はその姿を見た途端全てを悟った。
『貴様、まさか……』
王龍の表情に牛鬼はニヤリと笑い言った。
「あぁ、そう言う事だよ、我がもう一つの傀儡よ、お前の片割れの相手をするがよい」
その、牛鬼の言葉に反応したのは緤菜だった。
「分かりました…牛鬼様」
その言葉を合図に二人は、麗菜と緤菜は再会したのだ。
しかし、この再会は二人が望んでいたものとはあまりに違った。
「さぁ、宴の幕開けぞ」
二人の倒すべき相手であるはずの牛鬼の言葉を聞くなり二人は光の失った瞳で互いに傷つけあうのだった。
* * *
勾菜へ
ごめん!
また、すごい展開に…。
ごめんね。
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