二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 少年陰陽師*双月恋妖絵巻* ( No.56 )
日時: 2011/04/04 10:53
名前: 勾菜 (ID: bkovp2sD)

〜麗菜〜

暗闇の中で、青龍の声が聞こえた気がした。
それと同時に、懐かしい神気も感じる。

これは……気のせい……?

*            *           *

「ちぃっ!我が傀儡よ、この神将も葬り去れ!」
牛鬼が驚いたのは、一瞬だけ。
新たな命を下した牛鬼。

「はい…」
私は光の消えた目で青龍を見つめる。

「おい、麗菜!!」
青龍は叫ぶが、麗菜には届かない。

刀印を結び、青龍に向けてはなつ。

「…タヒね。」
冷たく言い放つ。

青龍は、それを己の神気で相殺する。
「麗菜っ!目を覚ませ!!」

「っ……」
一瞬だけ、麗菜の瞳に光が戻る。
が、それだけだ。

麗菜は体勢を立て直し、青龍に向かって懐剣を振り下ろす。
反射的に青龍は神気で麗菜を跳ね返す。

麗菜は、そのまま後方へ飛ばされる。
両者とも、間合いをはかる。

次の瞬間、麗菜は青龍に向かって走り出す。

しかし、動かない青龍の胸元に懐剣を突きたてようとする。

「…俺を殺したければ殺せばいい!」
そう青龍が叫ぶ。

その言葉に麗菜が反応する。
「………っ」

しかし、そのまま懐剣を振り下ろす。
自らの胸に向かって。

「っぁ…」
小さくうめき、その場にくずおれる。
驚いた青龍は麗菜を抱き起こす。
「おい、麗菜っ!しっかりしろ!」
取り乱したように叫ぶ青龍。

そんな青龍に、弱々しく微笑んだ麗菜。
「ご…めん…なさ…い…」
自らの体から流れ出す血に染まりながら口にしたのは謝罪の言葉。

投げ出された手は氷のように冷たい。

のどにせりあがってきた血を、ごぼりと鈍い音を立てて吐きだす。
そのせいで唇から血が流れる。

「ごめ…なさ…い…」
そればかりを繰り返す。

青龍の胸が、冷たく凍えていく。
それと同時に、怒りを覚える。
「ふざけるなよ……」

恐ろしいほど低い声でそう吐き捨てる。
それに比例した眼光を牛鬼に向ける。

「貴様を殺してやる…」
そうつぶやく。

相変わらず、麗菜は「ごめんなさい」と繰り返し続けていた…


*翡翠へ*
なんだか、中途半端な終わり方;;
そして、ごめんなさい(土下座)