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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 少年陰陽師*双月恋妖絵巻* ( No.58 )
- 日時: 2011/04/04 21:37
- 名前: 勾菜 (ID: .P6acy95)
〜麗菜〜
瀕死の状態でも感じる、緤菜の気。
「せ…っ…つなっ…」
必死で、大切な妹の名を呼ぶ。
「せっ…つな…っ…ゴホッ」
再び、唇に血がつたう。
それを、気にせずに繰り返す。
「せつ…なっ…」
しかし、その声は届かない。
瞬間、私の背筋に悪寒が走る。
それは、穿たれた傷のせいでもない。
これは予感。
緤菜のほうを反射的にみる。
「せつ…な…?」
それと同時に感じる≪狂気≫。
それが、すさまじい威力をもって周りへと広がる。
「…っ」
動けない私の周りに青龍の神気がそれを防ぐ。
「せつなっ…」
視界がぼやけ始める。
だが、私は緤菜のもとへ行こうと無理に起き上がろうとする。
「おい、無理をするな。今、動けばおまえはっ!」
「だめ…よ…」
そこで、もうほとんど吸えない息を吸う。
「緤菜は…っ……大事なっ…妹なんだ…から、さ。」
あぁ、だけど緤菜の≪狂気≫を目覚めさせたのは私。
私が自分の胸を刺したから。
だから、私が止めなければいけないんだ。
でも……もう体が動かない…
私は自分自身をあざ笑うように笑う。
正直、自分が情けなくなる。
私自身が招いた種なのに。
緤菜を追いこんでしまったのは私なのに。
だから、私はこれを止めなければならない。
誰か…私に力をかして…
そう祈る。
それと同時に暖かい光に体を包まれる。
眩いばかりの光がおさまるとそこに立っていたのは金の髪をした麗菜の姿。
否、麗菜とは別のものが麗菜に降臨する。
降臨した者の放つ雰囲気は神々しい。
『緤菜———。』
その声は、懐かしい母の声だった。
*翡翠へ*
ごめんね、なんか変なことにしちゃった((汗
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