二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 少年陰陽師*双月恋妖絵巻* ( No.60 )
日時: 2011/04/05 12:05
名前: 勾菜 (ID: 6vEo4atf)

〜麗菜(母)〜

『緤菜——。』
そう、呼びかけた。

十数年ぶりの愛しい子の名を。

私の呼びかけに緤菜は応えた。
「母様!」

しかし、そのまま駆け寄らない。
不審に思い、もう一度名を呼ぶ。

『緤菜…?』

次の瞬間、緤菜によって体を貫かれる。

いいようもない苦痛が駆け抜ける。
くずおれそうになった体を何とか押しとどめ、牛鬼の傀儡とかした愛しい娘をひたと見据える。

『緤菜。』
ただ、名を繰り返す。

そこに、牛鬼の声が響く。
「ふははははっ!無様よの、燐菜りんな!!」

その声に軽い口調で返す。
『あら…牛鬼じゃない。っは……全く、なんてことしてくれたのよ。
 私の、可愛い娘たちに呪縛を残すなんて。』
私の言葉はだんだんと剣呑なものに変わっていく。

「知ったことか。貴様が我の邪魔をしようとするからではないか…まあ、そのせいで貴様はタヒんだのだがな。」

『ふふっ、でもそのせいであなたのたくらみは途絶えたんでしょう。』

そこで、母は大きくせき込む。
『麗菜…』

この体は麗菜のもの。
ずっとこのままでいたら、麗菜に負担がかかる。
ただでさえ、瀕死の状態なのに。
そんなときに、目に入った『青』。

『青い神将さん、この子をこの世界から連れ出してちょうだい。』
突然声をかけられた青龍は唖然とする。
「は…?」
『私が、緤菜をこの世界から救い出す。それに、紅い神将さんもいるわ。
 あなたは、麗菜の体をこの世界から連れ出して。
 このままだと、麗菜はタヒんでしまう…早く。』

その言葉に、青龍は従う。

それと同時に、麗菜に憑依していた、母が姿を現す。

『さぁ、牛鬼。緤菜を返してもらうわよ。』

そう言う母、燐菜の姿。

それは、とても神々しいものだった。


*翡翠へ*

とんでもない展開に;;
どうとでもしちゃって;;