二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 少年陰陽師*双月恋妖絵巻* ( No.64 )
日時: 2011/04/08 21:54
名前: 勾菜 (ID: N0Ji3jbZ)

〜燐菜〜

牛鬼の作りだした異界で、私たちは対峙する。

牛鬼の言葉に従って、緤菜は刀印を結ぶ。

『——禁。   …まだまだね。』
そう言って、緤菜の様子をうかがう。

『燐菜、我にもやらせろ。』
そこに、王龍が口をはさむ。
『王龍様には、最後に力を貸していただきますよ。』
その言葉に王龍は口端をつり上げる。
『その言葉、忘れるなよ?』
『もちろん。』

「ふざけるなよ、きさまらぁっ!」
そう叫んでとびかかろうとする牛鬼を、王龍の甚大な神気でそれを阻む。
『邪魔をするでない、牛鬼。』
「ちぃっ!」

そして思い出したかのように燐菜は騰陀のほうを向く。

『紅い神将さん。緤菜を止めてちょうだい。』
「はっ!?」

騰陀は、唖然とする。

『緤菜を止めろって言ってるのよ。』
「だからって、なんで俺が。」

そう言う騰陀をひたと見据える。

『緤菜があなたを大切に思っているからよ。
 ……緤菜の心を溶かすのはあなたよ。
 そのきっかけを私がつくるから。』

再び向かってきた緤菜を避け、不思議な呪歌を歌う。

『夢見し光、癒しの光、心に響け、聖なる歌よ
 悪しき闇を退けん、闇に凍える心に届け、聖なる声よ
 希望の光、輝かん、怯える心を溶かす、聖なる歌を……』

巫女の血筋を使って。
家に伝わる秘密の歌。
思いを込めて。

それを歌い終えると、燐菜は緤菜を抱きしめる。
それに抗う緤菜。

『緤菜——…目を覚ましなさい…』

その言葉に、緤菜の動きが止まり目を見開く。

次の瞬間、いきなり緤菜は苦しみだす。
「お、おいっ!」

焦る騰陀。
それに落ち着いた燐菜が声をかける。
『落ち着きなさい。緤菜は呪縛と戦っているの…だから、それに再びのまれないようにあなたが止めなさい。』

*             *            *

苦しむ緤菜に、それを見つめる騰陀と燐菜。
それぞれの思いを胸に、ここを抜けだすことができるのか…


翡翠へ

変な風にした;;
しかもなに、最後の予告はァぁッ((泣