二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 少年陰陽師*双月恋妖絵巻* ( No.68 )
日時: 2011/04/13 20:51
名前: 勾菜 (ID: J0PYpSvm)

〜青龍〜

俺は麗菜のことを晴明に報告し終わり、麗菜のいる部屋へと戻った。

俺が戻ると麗菜は再び目を閉じていた。
その様子からして、寝ているのだろう。
麗菜を起こさないように部屋の隅に移動しようとすると呼びとめられる。

「青龍…」
「…なんだ」

麗菜はのろのろとこちらを向く。

「どうしても…忘れられない…緤菜や王龍様や…母さまのことが…」
その言葉に俺は息をのむ。
それに気がつかず麗菜は言葉を紡ぐ。

「目をね、閉じると…どうしてもそれを、思い出してしまうの…
 それに……」
言い淀むと麗菜は泣きそうな顔をしてこちらを向く。

「緤菜が…緤菜がっ…たった一人でいるのを見てしまうの…真っ暗の中で、膝を抱えてるの…!
 あの子の心が……叫んでるの…それが…苦しいの」

そう言うと麗菜は泣きだす。
俺はそれを見て動揺してしまう。
(こいつは…自分に責任を感じているのか…?)

「……ならば、早く回復して妹のもとに向かえばいい。」
「え…?」

麗菜は青龍のほうを驚いたように見る。

「回復してあいつらを倒せ。」
そう言って俺は異界に戻った。

麗菜は何かを考えているようだった。