二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 少年陰陽師*双月恋妖絵巻* ( No.80 )
日時: 2011/04/22 21:02
名前: 勾菜 (ID: ymYDaoPE)

〜麗菜〜

部屋に二人で戻ると宵藍が壁のそばに座っていた。

——ヤバい。
本能で察する。

と、それと同時にものすごく低い声をかけられる。

「どこに行っていた?」
「えと、違うのよ、宵藍。これにはいろいろと訳がね。」
「麗菜?」

冷汗たらたらの私に不審げに緤菜は声をかけてくる。

「ううん、何でもないわ。あははは…」
その間にも突き刺さる冷ややかな視線。

「でも…」

と、緤菜の視線は私の後ろへ…青龍のほうを見る。

「あ——…ちょっと待ってね。」

と、緤菜に言い置き青龍に向き直る。

「宵藍、小言なら明日聞くから、今日はもう異界に戻っていて?」
「……」

その言葉に眉間のしわを一本増やして異界に戻ってくれた青龍に内心お礼を言いながら緤菜を見る。

「ごめん、ごめん…久しぶりに二人で過ごせるね…」
と、しみじみ呟く。

それと同時に、異界での事がよみがえる。

「……あの時はごめんね……」

そう、謝った。

「ごめんね」
それを繰り返した。