二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 少年陰陽師*双月恋妖絵巻* ( No.82 )
- 日時: 2011/04/23 20:26
- 名前: 勾菜 (ID: OQN7GsL9)
〜麗菜〜
緤菜が帰ってきた次の日の朝。
いつもより神将の気配が少なかった。
「…あら…?」
不審に思い、着替えをしてから部屋を出る。
そこには、自分より少し背の低い少女。
故あって安倍邸で預かることになった姫君——藤原彰子。
「あ、おはよう。彰子姫」
「おはようございます、麗菜さん」
まずは朝の挨拶をかわす。
「あの晴明様が呼んでいらっしゃいました。」
「晴明様が?」
聞き直すとコクリとうなずいた彰子。
「そう…ありがとう、彰子姫」
一瞬嫌な予感がよぎる。
しかし、それを打ち消しながら晴明の部屋に向かった。
* * *
晴明の部屋の目の前で緤菜とばったり会う。
「おはよう、緤菜。」
「おはよう、麗菜。」
先ほど彰子とかわしたように朝の挨拶。
そして、部屋の前で一声かける。
「晴明様、麗菜と緤菜です。」
「どうぞ。」
部屋の中に入ると、背筋をピンと伸ばした晴明が六壬式盤に向かっていた。
それに、ただならぬ気を感じ私は気を引き締める。
「晴明様、我らをお呼びとのことですが…どのようなご用件でしょうか?」
そう聞くと声明は微笑をたたえてこちらを振り返る。
「お二人ともご無事でよかったです。」
その言葉にハッと息をのむ。
「ご心配おかけしました。」
そう言うと晴明は頷いた。
「…では、本題に入りましょうか。」
それと同時に妻戸が開く。
「くるぁぁぁっ!緤菜ァぁ!」
その言葉にぎくりと身をすくませる緤菜。
「せ…緤菜?」
それと同時に今度は私の背後に気配が。
「麗菜。」
静かに怒りを含ませたそれはそれは低い声。
今度は私が身をすくませる番だった。
ギギ…と音がしそうな感じで振り向くと案の定青龍がいて。
「…宵藍;;」
その言魂に晴明は私のほうを向く。
が、何も言わない。
しかし、顔が笑っていた。
そう呼ぶと青龍はさらに眉間にしわをよせる。
言葉を失ってしまった二人。
さて、「この状況をどうするか」ということに晴明の意識はうつっていった。
翡翠へ
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