二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 少年陰陽師*双月恋妖絵巻* ( No.86 )
日時: 2011/04/29 18:54
名前: 勾菜 (ID: rb3ZQ5pX)

〜道反の昌浩〜

物の怪と別れて約半日ほどで道反についた。
隧道を白虎の風に乗って巌の前につく。

「これって、入っていいのかな?」
不安になって問いかけると六合が同意したのがわかった。

「そっか、じゃいこっか。」
そう言って俺は巌に手を触れた。

次元を超える感覚がおさまってから目をあけると聖域の中だった。

「いつも通りだね。あれ……」

聖域内がいつも通りのことを確認し、そのまま歩き出そうとした時。
懐かしい背中を見つける。

前は敵同士だった人物。
九流の王として、苦しんでいた。
もゆらの死がきっかけとなり八岐大蛇荒魂の九番目の頭、珂神比古、になってしまったけれど…
もゆらが比古の本当の名前を叫んだことにより正気を取り戻した。
その人の真の名は…瑩祗比古。

「比古!」
俺は思わず叫んでいた。

比古は驚いたようにこちらをむき、目を見開く。
「昌浩?」

比古のそばには黒い毛並みを持つ狼、たゆらもいた。

二人は駆け寄った。
「昌浩、お前どうして!」
「俺はじい様の命令で…そういう比古は?」
「俺は道反の大神にお願いされて…」

その言葉を聞いて昌浩は眉根を寄せた。

「何か起きているってこと?」
「そうらしい。今から話を聞きに行くところだったんだ。」
「じゃあ、俺も一緒に行っていい?」
「たぶん、いいんじゃないかな…」

俺たちは久しぶりに会って会話を弾ませていた。
その間にも闇の胎動が強まっていることも知らないで。