二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 少年陰陽師*双月恋妖絵巻* ( No.87 )
日時: 2011/04/30 01:39
名前: 翡翠 (ID: ze9J8nGv)

〜緤菜〜

あの会話の後、私、麗菜、もっくん、青龍の四人は徒歩で道反へと向かっていた。
何故、徒歩で向かっているかと言うと……。

…数時間前…

「嫌よ!私は絶対に行かないわ!それが晴明の頼みであってもよ!」

道反へと向かうために私達は太陰に風で送ってもらうはずだった。
だけど、風で運ぶ面々を知った太陰は怯えたように拒絶の言葉を残して異界に引きこもってしまったのだ。
その後を青龍が追って行こうとするのを麗菜が何とか止めて、今後どうするかを私と麗菜で話し合った結果、嫌がる太陰に無理にお願いするのも機が引けるという事になり、徒歩で向かう事となったのだった。

「今日中に道反へ着くのは無理そうだね…」

日の傾き始めた空を見上げながら私は言った。

「そうだな、何処か身体を休ませる場所を探しながら移動するか……」

足元で言うもっくんを見て、ふと思いついた事を私は実行した。

「わゎっ!?」

足元のもっくんを両手でぎゅっと抱き上げると自分の左肩に乗せる。

「…いきなり、何をする」
「この方が、話しやすいし、暖かいかなって」

私の言葉にもっくんはキョトンとした表情を一瞬見せた後で講義するように言った。

「あのなぁ、お前と言い、昌浩と言い、俺を何だと思ってるんだ!」

声を荒げ言うもっくんに、私はただ一言、言った。



「何って、物の怪のもっくん、でしょう?」



私の口から出た言葉にもっくんが怒号を上げたのは、言うまでもなかった。