二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 少年陰陽師*双月恋妖絵巻* ( No.93 )
日時: 2011/05/10 22:32
名前: 勾菜 ◆QyplZtgIXg (ID: 835JPTtT)

〜麗菜〜

あの後部屋で休んでいたのだが、ふと何かを感じ目を覚ました。

「なに…?」

「麗菜…」
「緤菜…。」

隣の部屋で休んでいた緤菜も顔を出す。

「何かしら、この…違和感は…」
「わからない、でも…」
「何か来るぞ。」

気を使ってくれていたのだろう。
部屋の外にいた青龍も顔を出す。

「っ…これは…」
「どうしたの、麗菜?」

青ざめる私に緤菜が問いかける。

「なんだ、またお前と会うなんてね。」

その声とともに現れたのは小柄な影。
一見すると黒と見間違いそうなほどに深い藍色の髪を短く切り、少しだけ長いところを首の後ろで結んでいる。
人懐こそうだがどこか危険な雰囲気を醸し出す、金の瞳。
うすい笑みをたたえた口元からは鋭い犬歯がのぞく。

「お前は…牛鬼の手下のはず…なぜお前がここにいる!」
「ふふっ、本命は牛鬼じゃなくてこっち。」

その言葉に唖然とする。

「麗菜、だれと話しているの?」
「何を言っているの、目の前にいるじゃない。」

冷たい汗が背をつたう。

青龍を見ても怪訝そうにこちらを見ているだけだった。

「なんで…」
「お前にしか見えてないんだ。おっと…」

一瞬で影がかき消える。

「宵藍!」
その影の向こう側に、大鎌振り下ろした体勢の青龍がいた。

「全く、術が解けちゃったじゃん。」
と言いながら次に現れたのは私の後ろ。

「っ…!」
反射的に振り向こうとする。
が、短剣を喉笛に構えられて、身動きができなくなる。

「今日はちょっと様子見のだけだったのに。
 あ、僕の名前は廉狼。以後お見知りおきを。」
そう言うと妖艶に微笑む。

瞬間、爆発する神気。

「宵藍、落ち着いて…」
「ね、麗菜…僕たちはキミの心の闇を知っている。」

ハッと、息を詰める。
嫌な汗が流れる。

「…なんのこと?」
「あの方はそれをご存じだ。それを忘れちゃ駄目だからね?」

私が解放されるのと、騰陀が部屋に飛び込んでくるのはほぼ同時。

「こんなに相手をするのは嫌だなぁ。それじゃ、そろそろおさらばしますか。じゃあね。」
それとどうじに煙が廉狼の姿を取り囲む。

煙が晴れたときにはすでにその姿はなかった。


*翡翠へ*
変にしちゃった;;
ごめんね><