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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 少年陰陽師*双月恋妖絵巻* ( No.98 )
- 日時: 2011/06/04 22:26
- 名前: 翡翠 (ID: 2H8l6W4S)
〜緤菜〜
さて、紅蓮と私は皆が戻るのを待っているわけだけど……。
どういうわけか、昌浩がその場を離れた後二人して沈黙を守っていた。
…沈黙の中で私の脳裏には二つのことが巡っていた。
一つは、紅蓮と風音の複雑な何か事情がありそうな空気。
それがとても気になった。
二つ目は、麗菜の事、最近の麗菜はどこか、雰囲気がおかしいというか、暗い気がした。
何かよく無い事が起きる前触れのような気さえする…。
そんな事を考えながら沈黙しつづけていると、紅蓮が沈黙を破った。
「おい、何であいつ等のとこに行かなかったんだ?」
「え?」
急に聞かれて首を傾げてしまう。
「んー、特にこれって理由は無いから、何となくかな?」
私の曖昧な答えに紅蓮はふぅ、と息を吐き出した。
そんな紅蓮の仕草にドキッとしてしまう。
…もっくんの姿に慣れているから、話していると少し変な感じがする。
「…なんだ?人の顔をじろじろ見て」
私の視線に気づいたのか紅蓮が問いかけてくる。
金色の綺麗な瞳。
それに溢れ出る、緋色の神気。
「紅蓮は暖かいなぁって」
あ…思わず、考えていた事が口に出てしまって、慌てて目を逸らす。
凄く、恥ずかしかった。
「暖かい?俺が、か?」
訝る様な声音に私は小さく頷いた。
「そうか……」
紅蓮のその呟きの後、また沈黙は続く。
それから、数十分が過ぎた頃、複雑な表情の皆が戻ってきた。
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