二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 鋼の錬金術師 —孤独ノ音— ( No.6 )
日時: 2011/01/15 22:38
名前: 花桜 (ID: 4RLKS53x)

sound.2 歌が聞こえたその場所に


消えた少女を追って、エドとアルは走りまわっていた。
その中で、エドとアルの姿をとらえると、冷たい目線を送ってくる人も少なくはなかった。
先程町にいた輩だろう。エドとアルがあの少女をかばったのが理由だろう。


「……あー!!!アル、なんかオレ今誰かをフルボッコにしたい気分だ!!」
「やめてよ兄さん!!」

崖近くの場所まで来た時。走りすぎてエドは物凄く息を切らしていた。


「はっ、はっ、はっ……。と、飛ばしすぎたな」
「そうだね。って……兄さん!!後ろーーッッ!!」
「あ?」

エドが後ろを見る。そこには、崖から足が離れていた。
海がある方を後ろにしていたので、感覚がわからなかったのだろう。エドは驚愕に目を丸くした。

「!!うわぁああぁぁあっ!!」

気づいた時にはもう遅く、エドの世界は反転した。

 *


「……さん。兄さん……!!しっかりしてよ兄さん!」

うっすらとエドは目を開ける。そしてその意識がはっきりとした。


「ってぇ……。ここは?」
「森。兄さんが崖から落ちて、ボクが落ちた兄さんを拾ったんだ。海の近くに立ってたら、兄さんが寒そうに震えだしたから。森に移動したんだ」
「……わりぃな……」

エドは苦笑して、俯く。だが、すぐに顔をあげた。


「……アル。何か聞こえねェか?」
「え?……あ、うん」

綺麗な音色が聞こえてくる。エドは子守唄の様な優しげな音色に驚く。


「……この音色は……?」
「行ってみようよ、兄さん」

エドはうなずく。立ちあがると、音の聞こえてくる方へ歩き出した。


  *

そこにいたのは、あの金髪の少女だった。
切株に座って、ハープを弾いている。目を閉じて優しく。木々の間から差し込む光が少女を照らし、金の髪が輝いている。
日の光の中降臨した天使の様だった。少女の周りや少女の肩には、動物が集まっている。


「兄さん、あの子……」
「あぁ」

その時。アルの鎧のガシャガシャという音が聞こえたのか、少女はふり向いた。
動物が一気に逃げだす。


「……何か、ようですか?」
「いや。綺麗な音色だと思って来ただけだ。ま、用はあるんだけどな。……町であの子供が言っていたのは、本当か?」

少女の顔色が一気に変わった。


『あの変な化け物操ってんのお前だろ!?迷惑してるんだよ、こっちは!!』

「……違います」
「本当か?」
「本当ですよ!!」

少女は金切り声をあげた。エドは少女の悲しげな顔に気づくと、1歩足を踏み出した。
時。


「っ……来ないで!!こないでください!!」
「何でだ!!お前は何も関係ねぇんだろ!?化け物に!」
「それでもいや!触れられたら……近寄られたら……。っ……また、“人”を信じてしまうから……っ」

エドは目を丸くした。少女膝を抱えて震えだす。


「もう……。もう……あんな辛い思いはしたくないんです……!!」
「あんな、辛い思い?」

エドが訝しげに言うと、少女はハープをゆっくりと弾き始めた。

「人なんて嫌です……。優しくしてくれる人は信じてしまう……。……悪い癖ですよね」


弱々しく微笑みながら少女は瞑目する。

「信じられません……。どうせまた裏切るだけ!!!」


その時。エドは体が一気に重くなったのを感じた。

「……!?」
「兄さんっ!?」

アルが驚いている。エド自身も驚いていた。
少女の奏でる音色が、とんでもなくきつい物になっている。そして、赤だった少女の目は、濃い青に変わっていた。


「大嫌い……大嫌い大嫌い!!!」

まるで音色がエドに襲いかかってくるかのようだ。
ダメだ。耳の神経がおかしくなる。体の底からぐちゃぐちゃにされているかのような感じ。
エドは口元をおさえた。


「うぐ……っ!が、は……っ!」
「兄さん!」

気持ち悪さに涙が出そうになる。エドは吐いた。
だけど少女の音色は止まらない。それどころか、先ほどよりも激しさを増しているようだ。



「やめ、ろ……」
(やベぇ……。本気でおかしくなる……)

エドは意識がもうろうとするのを感じた。
その時。アルが両の掌を合わせ、地面に手をつけた。少女は鳥籠の様な物に入る。その際、ハープが離れた。
一気にあの気持ち悪さは失せ、エドは少女の目がだんだんと赤に戻って行くのを見た。



「さんきゅ……アル……」
「別にいいけど……。兄さん大丈夫?」
「一応」

エドとアルはゆっくりと少女に近づく。
鳥籠の中から、必死でハープを取ろうとしている少女は、2人に気づくと目を丸くした。


「来ないでって……言った、のに……!!」
「……大丈夫だから」

エドが静かに言う。手の甲で口元をぬぐうと、優しく微笑んだ。

「安心しろ。オレ達はお前を傷つけるために来たんじゃねぇから」
「……ホントに?」


震える声で少女は尋ねる。エドとアルは頷いた。

「この町には調査で来てな。ちょっと協力してほしいんだ」


アルは鳥籠から少女を出す。エドはハープを少女に渡した。
少女はハープを受け取ると、ゆっくりと頷いた。


(……にしても……さっきのは一体何だったんだ?)

☆……☆……☆……☆……☆
次回予告


「てめぇらー……さっきの借りは返すぜー??」
「「……黒いよ」」

  調査の為に少女の家に向かうエドとアル。
 だけどそこでエドの事を【ピー】と言った少年達に遭遇!!!
   ……エドの復讐劇が始まる(!?)

「赤眼って……イシュヴァール人!?」
   「名前は?」


sound.3 イシュヴァラor少女or黒き少年!!!
☆……☆……☆……☆……☆


りーさん


うん!!お互い嬉しいって事で☆


おぉ!6回目!
んじゃあ私も☆
「やっほーチビエドォー★」
7回目さbb

何気に好き??それはよかった〜♪
少女の名前は次にわかるよ!!
お楽しみに♪

うん!!お互い頑張ろうbb