二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: デュラララ!!—二人の転入生— ( No.1 )
- 日時: 2011/01/12 16:38
- 名前: ダレン (ID: yL5wamFf)
「ねぇねぇ、知ってる?今日転入生が来るんだって!」
「えっ、そうなの?」
「うん!しかも双子だって!男女の双子!!」
そんな会話が交わされる教室内。その片隅でおさげの少女が呟いた。
「双子ちゃんかぁ〜・・・。私たちと一緒だ!ねぇ、これって運命だと思う?」と、隣の男子に問いかけている。その手にはエロ本が握られている。男子は「知るか、そんなこと」と呆れ顔をしながら、少女の方をチラチラと見ている。その顔はリンゴのように真っ赤だ。
そんな男子は露知らず、少女—折原舞流—は独り言のように呟いた。
「転入生かぁ〜。楽しみだなぁ〜。女の子だったらいいなぁ。後でクル姉にも教えてあげよう!!」
「え〜、今日は転入生を紹介するぞ〜。オイ、静かにしろ〜」
先生が注意しても、教室はざわついたままだった。
「・・・まぁいいや。入ってきていいぞ」
うながされて転入生が入ってくると、教室は静まり返った。
その空気に圧倒されたのか、転入生はオドオドし始めた。
「あ・・・えと・・・初めまして、僕、葉月柚兎汰・・・です。よっ、よろしくお願いします!!」
そう言って転入生—柚兎汰—は勢いよく頭を下げた。
その姿に教室は笑いに包まれた。
そんな中、舞流は、ポツリと呟いた。
「・・・ちぇ、女の子じゃなかった・・・」
一方・・・折原九瑠璃の教室では・・・
「初めまして、葉月柚烏と申します。弟共々よろしくお願いします」
そう言って優雅に頭を下げたのは、もう一人の転入生—柚烏—だ。
そんな彼女に男子の大半は熱い視線をむけており、そんな男子たちのことを女子が睨んでいる。
そんな空気の中、黒沼青葉は考えていた。
—あの子、いじめられないかな・・・あんなカワいい子、他の女子がほっとかないと思うんだけど・・・—
考えながらチラリと隣に視線をむけた。
隣の女子—折原九瑠璃—は転入生に視線をむけず、うつむいていた。
—・・・まぁ、いっか。他人のことなんて・・・—
—放課後—
「柚兎汰っ!!」
「・・・姉さん!?」
転入生の双子が仲良く帰路についていた。
「友達できた?」
「・・・姉さんこそ」
「あはは、できるわけないじゃない!」
「・・・僕も同じだよ・・・」
「ていうかさー、最近思ったんだよね・・・」
双子の片割れは、今までと変わらぬ声の調子で言葉を紡いだ。
「どうせ離れていくから、友達なんか作らなくてもいいかなーって」
「・・・同感」
「ねぇ!これから街に行かない?どんなところか知っておきたいからさ!!」
「いいよ。僕も知りたいからさ」
「決定!!じゃあ、急ごう!」
「えっ・・・ちょ・・姉さん!?」
慌てる弟の手を掴み、少女は走り出した。
この街にはあらゆる危険が潜んでいるとは知らずに・・・