二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: デュラララ!!—二人の転入生— ( No.100 )
日時: 2011/05/04 14:59
名前: ダレン ◆DFe5UsycxQ (ID: yL5wamFf)

視界の隅に見えたもの。
杏里は初め、それはただのケンカだと思っていた。
誰かが、赤の他人を追いかけている。
この街ではそんなの当たり前の光景だった。
だから、見過ごそうと思った。





しかし、見過ごすことができなかった。
追いかけられている人影が被っているフード。
その間から見覚えのある顔が見えたからだ。
正直、あまり話したことは無い。
しかし、仲良くしている男子の友達だというのは覚えている。
今はもう、隣にはいない・・・紀田正臣の、友達・・・。




・・・そうだ。紀田くんが彼らを連れてきて、私に紹介してくれたんだ。
髪を金髪に染め、ニコニコと笑っていた人。
その後ろで制服をしっかりと身につけ、照れたようにはにかんでいた人。
ニコニコと笑っていた彼が私に近づいて言ったのだ。
『初めまして、園原さん。俺は正臣と同じクラスの・・・』









「如月・・・留依君?」



そう分かった瞬間、杏里はその二つの人影に向かって走っていた。



両目を赤く—————どこまでも赤く光らせて。













「はぁ〜・・・。今日は最悪な一日だったなぁ・・・」
翔はとぼとぼと帰路についていた。



———柚烏ちゃんと柚兎汰君はなんかヒソヒソ言いながら帰っちゃうし、留依は臨也さんとこ行っちゃうし、あの後靴紐切れるしケンカには巻き込まれるし静雄さんに至っては標識(×3)投げられるし・・・よく俺生きてたな・・・・・・———


傍らには先ほどコンビニで買った飲み物等が入った袋をぶら下げている。
明日はいい日になりますように・・・と心の内で祈っていたその時。




翔の耳がこの街では聞きなれた音を捉えた。





馬の嘶きのような音。
こんな都会で聞くような音ではない。
しかし、翔はその音の正体を知っていた。



———セルティだ・・・。仕事かな・・・てか、白バイが怖いから仕事は当分自重するって言ってなかったっけ・・・?———



とりあえず自分には関係ないだろうと、構わず帰路につこうとしたのだが・・・。


その嘶きがだんだん大きくなってくることに気がついた。
自分が居る場所に向かってくるかのように、だんだんと。
翔は足を止め、後ろを振り向いた。

そこにあるのは、いつもの風景。
たくさんの人で溢れかえるいつも通る道。
翔は静かに目を細めた。
まるでその風景の中にある、ナニカを見つけようとしているかのように。
そのナニカは、すぐに目の前に現れた。






何もかもが黒く塗りつぶされたバイク。
それに乗っているのは都市伝説。
———『首無しライダー』———





「・・・久しぶりだね、セルティ。俺になんか用?」
目の前に都市伝説がいるのにも関わらず、まるで親友と話すかのように淡々と言葉を紡ぎ出す翔。
そんな翔に都市伝説—セルティ・ストゥルルソン—は、PDAに打ち込んだ言葉を見せた。
そして翔もまた、非日常に足を踏み入れることとなる。





















『頼む翔!臨也を探すのを手伝ってくれ!!私にはアイツの居場所が全く分からないんだ!!』