二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: デュラララ!!—二人の転入生— ( No.106 )
日時: 2011/06/05 08:15
名前: ダレン ◆DFe5UsycxQ (ID: yL5wamFf)

———・・・少し、止んできたかな・・・———

悠樹は空を仰ぎ見た。
相変わらずどんよりと曇っているが、雨は小雨となっている。
傘を閉じ、薄暗い路地を歩き続ける。


———・・・まだだ、まだ時間じゃない・・・。焦っちゃダメだ・・・———


心の中で自分に喝を入れ、歩き続ける。
ただひたすらに、何を求めるでもなく、スタスタと。







しばらく歩くと、前方から女性の話し声が聞こえてきた。
こんな時間に聞こえるものなのか、不審に思ったが構わずその方向に向かう。
そこでは、黒いファーコートの女性とロングTシャツにネクタイの女性が言い争っていた。














「で〜す〜か〜らぁ〜、私はギターは弾けませんって!何回言ったら分かるんですか!私はミクちゃんじゃないんです!!」
「でっ、でもさっ、歌うことはできるでしょ!?葵ちゃん、歌上手そうだし。てか、上手いでしょ!?」
「勝手に決め付けないでください!!てか、そのコート脱いでください!あの人思い出してイライラするんで!!」
「話逸らしたでしょ!?ねぇ!?あとコート脱いだら寒くて死んじゃうから!!せっかく臨也んとこから盗んできたってのに!」
「そんなしょーもないもの、燃やすくらいして下さい、類さん!!」
「あっ、そこまで嫌いなの!?」





薄暗い路地で傘も差さずにギャーギャーと言い争っている2人の女性。
彼女らに忍び寄る小さな人影。
類が気づいたとき、人影はすぐ近くまで来ていた。



「!・・・・・・何、アンタ?子供はもう寝てる時間じゃないの?」
人影を睨みながら冷めた口調で類は問いかける。
ソイツはニィッと口を歪ませて答えた。
「いえいえ、僕はもう子供ではないんです。ハイ」
悠樹は嬉しさを隠しきれない様子で、ポケットから携帯を取り出した。
「はっ?何言ってるの?アナタ、高校生でしょ?まだ子供じゃない」
類の言葉を無視して、携帯を操作する。
目当てのものを見つけたらしく、二人にある問いを投げかけた。











「あなたたちは・・・ダラーズに入っていますか?」
















「・・・?入ってるけど、それがどうかした?」
類がそう答えると、悠樹はクセ毛の間からかすかに見える瞳を大きく見開いた。
「そう・・・そうですか・・・。ハハッ」
そして弾かれたように言葉を淡々と紡いでいく。









「知っていますか?ここ最近『ダラーズ狩り』ってのが行われてるんです!首謀者は僕では無いんですけど、なんか無性に楽しくて!!ダラーズのメンバーが『いつか自分も狩られるんじゃないか』ってビクビクしている様子がとても愉快で!だから僕は火に油を注ぐように・・・ヤツラの恐怖を倍増させるために!!ダラーズをもっと愉快にするために!!・・・・・・『ダラーズ狩り』の首謀者に密かに協力することにしました、ハイ!それと僕はリアルでは子供です!でもネット上では結構有名なんですよ?」








沈黙。
その沈黙を破ったのは、葵だった。




「げろ・・・ダラーズ狩りだってェ!?なんでそんなのに関わんだよ!?てめーもダラーズじゃねーのか!?」






「ダラーズですよ、もちろん。・・・・・・一つだけ予言・・・しましょうか?」



唐突に話題を変える悠樹。
右手の人差し指を突き出し、顔に満面の笑顔を貼り付け言い放った。







「数日以内にあなたのパソコンもしくは携帯が壊れると予見しました。まぁ正確には・・・」




時刻はもうすぐ12時。左手の親指で携帯の送信ボタンに指をあわせ、続きを言う。
































「今日、僕お手製の可愛いウィルスが壊す訳ですけど」




そして思い切り送信ボタンを押した。