二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: デュラララ!!—二人の転入生— ( No.42 )
- 日時: 2011/02/06 12:47
- 名前: ダレン ◆DFe5UsycxQ (ID: yL5wamFf)
「さて・・・と。これからどうしよう・・・」
白里は先ほど眠らせた女性を公園のベンチに寝かせたあと、
なんの理由もなく歩いていた。
———やることないしなぁ・・・ご飯でも食べに行こうかな・・・ん?———
そこで白里は、歩みを止めた。
目の前には自分より背丈の低い着物を着た人影があった。
———いまどき着物か・・・。どっから来たんだろう・・・———
自分には関係ないことだと無視して行こうと歩み始めたとき、着物の人影が声を発した。
「ねぇ、お姉さん」
「?・・・なんですか?」
「あのヒトに、なにしたの?」
「あのヒト?」
「ほら、あそこに座っている・・・」
人影が指差す方向には、昏々と眠っている女がいる。
「私には関係ないわ。それじゃあね。」
「僕、見たんだけどなぁー」
「・・・何を?」
言葉遣いからして少年だろう。今までは逆光でよく分からなかったが、少年は口元が開いたウサギの仮面をしていた。
その少年は無邪気に言った。
「お姉さんがカラオケルームであのヒトをだましたところ・・・かな?」
「!・・・どこで見ていたの?」
「えー、お姉さんも見てたじゃない、忘れてるのー?」
ひどいなぁ、と独り言を言いながら少年は、着物の袖をブンブン振り回す。
「まぁいいや、そんなこと。お姉さんは人を愛してるんだっけ。
僕らは違うんだ、人が大っ嫌い。だから僕らは人と関わりたくないんだけど・・・復讐の対象ができちゃったんだ。ねぇ、『ダラーズ』って知ってる?知ってたら教えて欲しいなぁー」
「・・・ダラーズがどうしたのよ?私だって入ってるわ」
警戒しながら返答すると、少年はニヤリと口元を歪ませた。
「じゃあさ、ダラーズのボスとか知ってる?」
「・・・・・・」
「ボスじゃなくても上層部とかでもいいんだけど・・・」
「潰すんだったらやっぱりボスからかなぁー」
「・・・潰す?」
「うん、潰すんだ!だってこんな危険な組織、放っておけないもん!そのうち一般人にも危害を及ぼすでしょ?人間、そういう生き物だもんね!!」
無邪気に語る少年に白里はため息をついた。
「・・・私はボスも上層部も知らないわ。私に限らず、皆顔も見たことないの。自力で探しなさい」
「う〜・・・わかったよぉ〜・・・」
いかにも残念そうに呟いた少年は、近くにあった木に飛び乗った。
「!」
「じゃあ今日は帰るけど、今度会ったときはよろしくね!僕は玉兎、夜はいつでも会えるから!!」
そう言って、少年—玉兎—は消えていった。
後に残された白里は呆然とするしかなかった。
「・・・なんだったのかしら、アレ」
その呟きは夜の闇に消えていった。
夜空には、欠けた月が騒がしい街を照らしていた———