二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: デュラララ!!—二人の転入生— ( No.85 )
- 日時: 2011/03/20 11:13
- 名前: ダレン ◆DFe5UsycxQ (ID: yL5wamFf)
首無しライダーが去っていったマンション。
その入り口に小さな人影が佇んでいた。
「・・・都市伝説の相棒も大したことないですね、ハイ」
ボソッと呟いた悠樹は、携帯を開きどこかのサイトへアクセスした。
「こんな簡単に侵入できるなんて・・・拍子抜けです」
せわしなく操作しながら呟く。
その眼は昼間と同じく、けだるそうだった。
「これでよしっ・・・と」
そう言うと、携帯を閉じ傘を広げ何処かへと行ってしまった。
「僕だって暇じゃない。今から、街全体を恐怖させなくちゃいけないから、ハイ」
「うっわー、土砂降りだー」
自販機の前で女が言った。
幼い顔立ちをしているが、歳は二十歳前後のようだ。
「そうですね、葵さん。どうします、傘持ってませんよ」
「もう濡れたから、そんなもんいらねーよ」
隣で祐希と静雄が言った。
今日はトムさんとヴァローナ、静雄と祐希と葵というグループで取立てを行っていた。
「・・・祐希さん」
「どうしたんですか、葵さん?」
葵のほうを向くと、不機嫌な顔をしていた。
「呼び捨てで呼んでくださいっていつも言ってるじゃないですか!なんで呼んでくれないんですか!?静雄さんは呼び捨てなのにっ!!」
祐希はちょっと困った顔をしてから、答えた。
「え〜・・・と、私もいつも言ってますよ?『私のことも呼び捨てで呼んでくれたら『葵』って呼んであげます』・・・って」
「いや、だからそこからオカシイですよっ!」
「そんな・・・え〜・・・。・・・アレ・・・?」
葵から逸らした視線の先には、見覚えのあるファーコート。
フードを目深に被っているが、あれを着ているのはこの街でただ1人。
祐希が叫ぶと同時に、静雄も叫んでいた。
「池袋に来んなって言っただろうがぁ、臨也ぁぁぁぁーーーー!!!」
「・・・私の前に現れないでください、臨也さんっ!!」
「・・・へっ?」
2人が物凄いスピードで走り去って行ったため、葵はポツンと立ち尽くしていた。
「・・・これ、追いかけたほうがいいのかなぁ?」
そう言って、葵は駆け出した。
歪んだ非日常へと—————