二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: デュラララ!!—二人の転入生— ( No.97 )
日時: 2011/04/01 14:47
名前: ダレン ◆DFe5UsycxQ (ID: yL5wamFf)

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昔々、とある山奥に小さな村があった。

そこは、人と生き物が共存する場所。

『神』として奉られているのは、

『太陽と月』の異名を持つ

『金烏』と『玉兎』。

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「・・・それがどうしたのよ?」
波江は興味が無いらしく、臨也の顔も見ずにそう問いかけた。
「まぁ、今はもう無い村らしいんだけど、そこ出身の人間が池袋にいるからさぁ」
そう言って、臨也は続きを話し始めた。


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その村で双子が生まれると、村人は騒ぎ立てる。

この村で双子は『神の生まれ変わり』と云われる

存在であるから、村人は大切に育てる。

しかし、双子は10歳とならずに死んでいってしまう。

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「・・・言い伝えは?」
「んー?『双子は神の生まれ変わりである』・・・だよ?」
「・・・なんで、すぐに死ぬのかしら?」
「まぁー・・・ストレスとかで自殺が多いらしいよ。あとは墜落死?殺しはなかったみたいだけどね」
恐ろしいことをサラッと言う臨也。
それでも波江は、納得がいかない顔をしていた。
「ストレス?・・・大切に育てられたんでしょう?ストレスなんて感じるの?」
その問いに臨也は少し考えるそぶりを見せる。
「・・・まぁ、『人生が退屈だ』っていうヤツもいたと思うよ?でも決定的な原因は・・・コンプレックスじゃないかな?」
「・・・コンプレックス?」
「そう。先に生まれた双子の片割れはね、生まれてすぐにまわりと違う存在にされるんだ」
「・・・?」
「『金烏』はね、『3本足の烏』・・・」






















「それと同じく、左腕を切られるんだ。残酷だよねぇ」
























「!!・・・双子が同時に死ぬのは、それが原因?」
「まぁ、そうじゃない?『双子ってのは2人で一つ。死ぬときは一緒だ』・・・みたいな?」
臨也はため息をつき、パソコンと向き合う。
チャットルームは、甘楽と罪歌の2人しかいない。
そんな臨也をみて、波江はあることを思い出した。
「ねぇ、あなたさっき『今はもう無い村』って言ったわよね?それはどういう事?」
「あぁ、それはね・・・」



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ある双子が生まれたとき、村人は驚愕した。

双子はどちらも腕が一本足りなかったのだ。

人々は恐れ、双子を森へ捨てた。

双子は森の動物たちによって育てられた。

10年の歳月が経ち、双子は村を破壊した。

両親は双子を生んですぐに村を追い出されていた。

だから双子は心置きなく、破壊した。

自分たちを捨てた。他人なんか信じない。

信じるのは、家族と・・・生き物だけでいい。

赤の他人なんて・・・みんなしんじゃえ。

そうして孤独な双子は故郷を消した。

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「これが、昔話の終わりだよ。そして・・・」























「村を破壊した双子が池袋に居て、『ダラーズ狩り』をやってるっていうんだ。これ程いい火種はなかなか無いよ?」