二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: デュラララ!!—二人の転入生— ( No.98 )
- 日時: 2011/04/05 16:51
- 名前: ダレン ◆DFe5UsycxQ (ID: yL5wamFf)
どうしてこうなった?
雨が降る街。
とある路地裏。
広くも無く、狭くもない路地裏を人影が走る。
人影—留依—は半ば混乱している頭で必死に考える。
後ろからは、「待て、いぃ〜ざぁ〜やぁーーーー!!」という怒声。
これがいつもなら翔と一緒に路地裏へ行っている。
しかし今は傍らに翔が居ない上・・・
追いかけられているのは自分自身なのだ。
自分の服装を見る。
黒を基調とした服、黒いファーコート。
臨也の基本スタイル。
コートの帽子を目深に被っているので、相手には留依だと分からない。
この格好のせいで、こんな状況に陥っている。
チラリと後ろを見る。
見慣れたバーテン服が標識を片手に走っている。
———俺は静雄さんに勝ったことはあるけれど・・・———
今度は上を見る。
上には曇った空。
建物に挟まれ、狭くなった空。
不意に、建物の屋上で何かがうごめいた。
動物の尻尾のような髪。青みがかった瞳がなぜか光っている。
———祐希さんに勝てる気がまったくしない!めっちゃ怖いんだけど!!———
祐希の顔は昼間と違い、獲物を狩る獣のようで。
どこまでも無表情。かろうじて怒りのような感情は読み取れる。
その時、留依の携帯が鳴った。
音楽で、ダラーズからのメールだと分かった。
とりあえず走りながら携帯を見る。そこには・・・—————
————————————————————
ダラーズからの緊急メール!!
今、『ダラーズ狩り』が行われているらしい
加害者は「ダラーズ」と名乗る者全てに
危害を加えている
しばらくは家から出ず、大人しくすること
怪しいヤツがいたら、飛び掛らず
すぐにダラーズへ連絡してください
————————————————————
———・・・俺はこれからソイツに向かっていかないといけないの!コンニャロ!!———
そう思い、留依は携帯をしまい再び走り出す。
後ろと上は相変わらず追いかけてきている。
突然、目の前に祐希が下りてきた。
否・・・落ちてきた、というべきか。
重力に身を任せるようにして落ちる。
それでも空中で体の向きを変え、両足で着地した。
「・・・っ!!」
「・・・私の・・・」
下を向きながら祐希が呟く。
「私の・・・前に出てくるなんて・・・バカなんですか、臨也さん?」
努めて明るく振舞おうとしているのか。
しかし、怒りは隠しきれてない。
———ちょっ・・・!マジ怖っ!!祐希さんコワッ!!———
何か時間稼ぎする物はないか。
周りを見渡してみると傍には積み上げられた木箱。
「・・・・・・」
「・・・?どうしたんですか、臨也さん?降参ですか?」
祐希はその木箱に気づかない。
———気が引けるが・・・コレしかない!!———
「・・・くそっ!!」
留依は勢いよく木箱を蹴り上げた。
「!!」
意表をつかれる形となった祐希は身構える。
後ろに居たはずの静雄がいない。
いつから居なかったのかは分からない。
でも、このチャンスを逃したらもう後はない。
留依は後ろ向きのまま走り出した。
今まで居たところに木箱が勢いよく墜落した。
バキッという音が鳴る。
祐希が木箱に踵落としを決めたのだ。
「コワイコワイ。あのまま居たら、潰れてたかもしれないねぇ」
臨也の口調を真似たワケではないが、自然と言葉が出ていた。
そんな留依を祐希は睨んだ。
徐々に膨れ上がる怒り。
睨んだまま、祐希は言った。
「・・・臨也さん。・・・死ぬ覚悟はありますか・・・っ?」
———・・・やべっ。俺、死亡フラグ立っちゃったんじゃね?———