二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: デュラララ!!—二人の転入生— ( No.99 )
- 日時: 2011/04/23 15:30
- 名前: ダレン ◆DFe5UsycxQ (ID: yL5wamFf)
目の前にいる白い着物の少年。
白里がソイツにおびえてるのが分かる。
顔には出ていないが、俺にはわかる。
もし、ソイツが白里にとって危険な存在ならば。
戦わねばいけない存在ならば。
俺は「神楽」のリーダーとして。
一緒にソイツと戦おう。
「?・・・ちょっとお兄さん。そんな睨まないでよ、怖いから」
雨に濡れた少年は、不服そうに口を尖らせた。
「・・・ごめん白里、ちょっと待ってて」
湊は白里に呟くと、傘を閉じ少年に向かって投げた。
「えっ・・・湊っ!!」
物凄いスピードで傘は少年に向かっていく。
しかし少年は避けなかった。
かわりに小さな声で呟いた。
「ニャ〜オ、はじき返してそのまま突進。・・・できるかい?」
傘の先端が少年の胸元に触れる直前。
傘があらぬ方向へと弾き飛んだ。
湊が驚いて一瞬動きを止めた。
その懐に飛び込んだ小さな影は、湊の顔に傷をつけた。
「イッ・・・!?」
「湊っ!!」
何が起きたのか、白里は辺りを見渡した。
そして少年の傍らに小さな物体を見つけた。
「・・・ネコ?」
見事なまでのトラ猫が毛を逆立ててこちらを睨んでいる。
「ダメだよーお兄さん、いきなり攻撃しちゃ。人の話聞こうよ」
少年は呆れた様子で湊に言った。
「僕はお姉さんに用があるんだよ。お兄さんに用は無いの。だから、避けてくれない?それとも何?アナタはお姉さんのヒーローにでもなりたいの?」
ズバズバ言い放つ少年。
そんな少年には見向きもせず、湊は弾かれた傘を拾った。
「・・・白里」
そして唐突に片割れの名前を呼んだ。
「・・・・・・きっと、俺はなってみたかったんだ。「ヒーロー」ってやつに。でも・・・」
湊は今の状況を完結に白里に伝えた。
「・・・・・・無理」
「・・・・・・えっ?」
いきなり弱音を吐いた湊。
白里は思わず声を上げてしまった。
「だから・・・さ、一緒にアイツを潰そうよ」
「カラーギャング『神楽』のリーダーとして・・・命令する。・・・一緒に、アイツを倒そうよ」
白里は驚きを隠しきれていなかったが、落ち着いて答えを言った。
「・・・分かった。湊は昔からそうだったもんね・・」
そう言って、持っていた傘をたたむ。
こげ茶の髪が雨に濡れて漆黒に近い色となる。
そして傘を少年に向けて構えた。
「じゃあ・・・一緒に倒して2人でヒーローになろう」