二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: フェアリーテイル〜無の滅竜魔導士〜16話更新 ( No.27 )
日時: 2012/02/21 20:36
名前: アビス (ID: dFf7cdwn)

17話〜侍からの挑戦状〜




「シャーナ・・・・・」

シャーナがいなくなってから一週間。シトは塞ぎ込んでいた。
あの後、シャーナが戻らないことにミラが心配し、皆に事情を説明。
魔法開発局に向かってもシャーナに関する手掛かりは手に入らなった。

「大丈夫じゃシト。あやつがそう簡単にくたばるわけなかろう」

シトの状態を見かねたマスターが、まるで子どもをあやす様にそう言った。
フェアリーテイルのメンバーの誰もがシャーナ事は心配しているのだ。
自分だけが何時までもしょげているわけにはいかないと、踏ん切りをつけた。

と、そこに一人の男性がシトの肩に手をまわしてきた。

「おいシト、最近知ってか?いろんなギルドの魔導士が次々に闇討ちにあってるって話」

「グレイ」

彼はグレイ・フルバスター。氷の造形魔法を使い、脱ぎ癖のある変態だ。
グレイはシトが落ち込んでいるのを見て、何とか気を紛らわそうと話を振ってきた。

「聞いたことはあるよ。名のある魔導士もやられてるんでしょ。
・・・・・・まさかシャーナもそれにかかったって言いたいの?」

シトがグレイを睨みつける。

「あ・・・・・いやぁ。そう言うわけじゃねぇんだけどよ・・・・・」

話を逸らすつもりが、余計に抉ったしまったことに言葉を詰まらせるグレイ。
と、そこにエルザがやってきた。『妖精女王(ティターニア)』と呼ばれる
フェアリーテイル最強の女だ。

「そうグレイを睨むなシト。それでもお前を元気付けようとしてくれているんだ」

「おいエルザ!そう言うのはさりげな〜〜くやるからこそ意味があんだろう!」

「・・・・・ありがとう、グレイ」

「お礼なんているかよ。同じフェアリーテイルの仲間だろ」

エルザの言葉でグレイの意図に気づけたシトは、グレイに俺を言う。
それにグレイはキザったらしい台詞を吐く。だが、それも本当に仲間を思っての言葉だ。

「失礼する」

「??」

するとそこに一人の来訪者がやってきた。黒の和服に身を包み
独特の雰囲気を醸し出すその人物は足音も立てず、マスターの元に向かった。

「何か用かの?」

「我は傭兵ギルド・サムライのリョーマ。このギルドに決闘を申し込みたい」

「ふむ・・・・・」

男からの突然の申し出にマスターは表情を変えずに唸った。

「何故じゃ?」

「我らが望みの為。勿論、唯でと言わない。
これは我がギルドからの依頼と思ってくれれば良い」

「おいおい。何だあいつ、いきなりやってきて決闘だぁ?
魔力も持ってねぇみてぇだが、そんな奴が内とやれ・・・・・・」

—ギンッ!・・・・・・・—

男が一瞬、刃のような殺気をギルド内に放つ。それに冷や汗を掻く者、
椅子から転げ落ちる者、思わず武器を手に持ってしまった者と様々だが、誰もが確信した。
この男は只者ではないと。

「我らは伝えたいのだ。この世にある力は魔力だけではないと。
例え魔力はなくとも、己の体と心を鍛えればそれに勝る力を得られると」

「うむ、よいじゃろう。依頼と言うことなら断ることもないしな」

「よろしく頼む。日時は三日後の正午。場所は誰の迷惑にも掛からない、ハダンの丘で」

マスターの承諾を得て、リョーマはそう言うと、その場を立ち去った。

「いいのですかマスター?あのような話を勝手にしてしまって。
いくら依頼といえど、評議院からみればギルド間の抗争と取られても可笑しくはないですよ」

エルザの問いかけにマスターはキセルを吹かせた。

「大丈夫じゃよ。評議員の連中から丁度受けていた依頼があっての。
それが向こうからやってきてくれて助かったわい」

「何だよじっちゃん。最近評議院の仕事ばっか受けてんじゃねェかよ」

「お前らがトラブルばっか起こすからじゃ!!」

「ぐほっ!!」

ナツの言葉にマスターがキレ気味の口調でナツの頭をどつく。

「まったく・・・・・・。最近、危険区域に足を運ぶ者が現れたらしくての。
それに最近起こっている闇討ち。その両方に先ほどの奴のギルドが絡んでるようでの。
調べてくれるように言われたんじゃ」

「・・・・それって、さっき言ってた闇討ちの事だよね?」

「ああ。魔導士が次々と敗れるのは可笑しいと思ったが、さっきみたいなやつが
絡んでるんじゃ話は別だな。あいつらの目的は何なんだ?」

「んなことはどうでもいいだろう!!あんなつえー奴とやれんだ。燃えてきたぞ!!」

こうして、いきなりギルドとの勝負を受けることとなったフェアリーテイル。
この安請けしたことにより、とんでもないことへと巻き込まれていくことに今はまだ誰も知らない。