二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: フェアリーテイル〜無の滅竜魔導士〜17話更新 ( No.29 )
- 日時: 2012/04/03 23:22
- 名前: アビス (ID: dFf7cdwn)
18話〜七人の侍。三人の剣豪〜
—ハダンの丘—
三日後、フェアリーテイルのメンバーの暇人は全員この場所に来ていた。
そこには既に以前フェアリーテイルに来たリョーマがいて、
その他に六人の人物が佇んでいた。
「待っていたぞ。フェアリーテイル諸君」
「うむ」
マスターは何時もと同じような調子だが、他のメンバーはそうではなかった。
七人の侍から発する気と、何か纏わりつくような気持ちの悪い魔力が
全身を襲っているのだ。
「七人・・・・と言うことは、七対七ということかの?」
「いや。これが我がギルドの総員でね。勝負は一対一。三本勝負二本取りによる真剣勝負。
我らの出る者は既に決まっている。さあ、そちらは誰が出る?」
「俺だ〜〜〜〜〜!!」
「待ちやがれ!!俺だ!!」
「漢たるもの!一番に出るべし!!」
「いや、ここは私が出る」
「僕が行く。最近、まともに動いてないから身体が鈍っちゃってるよ」
わいわいがやがやと、皆が我先にと前へ出る。
「これじゃ埒がねぇ。じゃんけんだ!!じゃ〜〜〜んけ〜〜〜ん・・・・・・・」
————————————————————
「先ずは私からね」
長きにわたる相子の末、先鋒を手に入れたのはサクラ。
それを見てサムライから出てきたのは女性だった。
「あら、可愛らしいお嬢さんね。私の10分の1くらい」
デニムショートパンツにブラジャーとかなり露出の高いファッションの彼女。
そんなド派手な衣装に負けない美貌とプロポーションを合わせ持っている。
「世界で一番美しく強い侍、このアミがお相手するわ」
「た・・・・確かにすげぇ良い女だな」
「こらぁ〜〜〜お前ら!今から敵対する者に現を抜かしてどうする!!」
アミに見惚れるフェアリーテイルのメンバー。それを見たマスターが一喝するが・・・・・・
—ツー・・・・・—
「あんたも鼻血出してんじゃねぇか!!!」
マスターの鼻から流れる血にギルド全員が突っ込む。
それを見ていたアミがため息を吐いた。
「茶番はそろそろいいかしら?
早くしないとビンビンに高まった気分が萎えちゃいそうだわ」
「いいけど、勝敗ってどうやって決めるの?」
「勝敗はどちらかが負けを認めるか、戦闘不能になるかまで行う。
尚、これ以上は危険だと判断した場合、公正の立場で我が止めに入る。
それでは早速始めよう。・・・・・・始め!!」
リョーマの言葉を合図に今までざわついていたメンバーは静まり、決闘に注目した。
サクラは花びらを出し臨戦態勢に入る。アミも自分の懐の刀に手を伸ばし、刀の抜く。
だが、それにサクラが訝しげな表情を浮かべた。
「・・・・・・刀身が無い」
サクラの言うとおり、アミが抜いた刀には刀身が無い。
柄も鍔もあるのだが、肝心の部分が無いのだ。
「うふっ・・・・・」
それでもアミは薄く笑みを浮かべると、そのままサクラの元へと走った。
疑問点は残るものの、アミに花びらを飛ばす。
「綺麗な花びら。でも・・・・」
—ブババパァァン!!—
「私には適わないわね」
アミが柄を振るうと花びらが消し飛んだ。そしてサクラの頭上に振りかざすと、
そのまま振り下ろした。刀身が無いこの刀では決して当たらない距離。
だが、サクラはそこに何かがあると感じ、後ろに引いた。
—ズパァァン!!—
「!!」
「ん〜〜〜〜〜〜。避けて正解。折角の勝負なんだから、もっと私を感じさせてね」
楽しそうに笑い、柄を振るうアミ。それに対しサクラは考え込んでいた。
突然出来た地面の刀傷。そしていまの斬撃音。
「・・・・・『刀身の無い刀』じゃなくて『刀身の見えない刀』なんだ」
サクラの呟きにアミは更に口角をあげて言った。
「そう言うこと。これが私の心法剣・『幻想剣(イマジン)』」