二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: (薔薇乙女)欠落人形と魔法学校(ハリーポッター) ( No.3 )
日時: 2011/01/15 14:46
名前: てと (ID: slitpE5G)

act.01「初めまして」


彼女——紅水晶に、契約者マスターは居ない。
契約したいと名乗り出るものは居るが、紅水晶は至ってその気が無い。
彼女は、お姉様—水銀燈—のみ居ればいいのだから。

「あの子は狂ってるわ。それは否定しない」

「けど、あの子は誰よりも——」

真っ直ぐなのよ、と水銀燈は美しく笑う。

「だから、あの子はアリスに近くて、一番遠い」

意味深な言葉を残して水銀燈はふわりと消える。
直後に現れたのは———紅水晶

「嗚呼、お姉様は帰ってしまったのね」

残念そうに呟き、空を仰ぐ紅水晶。
だけどどこか楽しそうで、妖艶な雰囲気に、周りの人間は魅せられて行く。

「残念残念——だけど、楽しみね」

これから始まることを知っているかのように笑う紅水晶。

———刹那、

彼女はnのフィールドと呼ばれる、現実世界の裏側に存在する、人々の精神世界への入り口—水面—の前で消えた—…



[まきますか・まきませんか]

「何これぇ……」

外国のとある家——少女、リオク=フェルナーデは戸惑っていた。
原因は手元に在る紙。それには、まくかまかないかと書いてあった。

「む、ぅ…よし!」

リオクは暫く考えた後、まきますか、という所に丸をつけた。
すると、その紙は自動的に消え、代わりに銀髪赤目の可愛らしい少女—否、人形—が鞄に入って落ちて来た。
桜田ジュンと真紅とはまた違う出会い方だ。

「わ、何これぇ…可愛い!」

リオクは鞄から人形—紅水晶—を取り出すと、近くにあったゼンマイを手に取り、首の後ろに合ったゼンマイを入れるところらしきに差し込んでキリキリとまわし始めた。
すると、ゼンマイは独りでに鞄へと戻り、紅水晶はその瞳を開ける。

「…う、ごい、た?」
「初めまして———…」

紅水晶はニコ、と綺麗に笑い小さくお辞儀をして見せた。


act.01