二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 卍ONE PIECE 空翔ける海賊. \レス100達成/ ( No.129 )
日時: 2011/02/13 14:08
名前: 柚麻 ◆hLMPZ4CBa. (ID: aU3st90g)

第28話〆 襲撃、



刃物!——そう思ったときにはもう遅かった。
ロリの右頬が引き裂かれ、赤色が滲む。

「ルフィさん、避けて! 右!!」

左手で頬を押さえると、敵を探すため目をとじる。
どうせ開けても木々ばかりなのだから、聴覚に頼るほうがいい。
力の入らない足を踏ん張って、ロリは深呼吸。

静かに、木の葉のこすれる音がした。
それを聞くや否や、ロリは右手を突き出して叫んだ。

「空斬!!」

バキッと音を立てて木が5本ほど折れる。

「やべぇ、見つかった! おい、射ろ!!」

腕にバンダナを巻いた大柄な男が飛び出した。

「お前か!」

ルフィがぐいーんと腕を伸ばし、パンチを食らわす。
男が2,3度よろめいたが矢を番えた。
手を放す前に、ゾロの技が繰り出す。

「ったく、面倒くせぇな!」

太刀音がして、矢の先と峰が当たった。
その後ろからサンジの長い足が伸びる。

「剣士、退け!」

手をついて弓を蹴飛ばすと、後ろから無造作に構えた女が出てくる。
人形のような整った顔立ちに、サンジは目を奪われた。
もうアテにならないわね——そう思ったナミは引きずって草むらへ移動させる。

「……五輪咲き——クラッチ!」

地図をチョッパーに渡したロビンも参戦し、直後に骨の折れる嫌な音がした。

「いったいわねぇ、この化け物!! オウル、やっちゃってー!」

バンダナをした男——オウルに頼ると、自分はそそくさと退散しようとする女。

「姉ちゃん、邪魔だ」

レインがぶっきらぼうに言うと、爆風で飛ばした。
その先に、コルーとウソップ。

「何よ、あんた達ぃ! 退きなさい!!」

ウソップがパチンコの柄、コルーが木刀で首筋に叩き込む。
バチッと派手な音がした。
悲鳴をあげる女は、そのまま銃を構えた。

「もう知らない!!」
「空銃!!」

ロリの手と、銃音が交じり合う。
空を味方にまとったロリの銃は、女の銃を弾き飛ばして性格に鳩尾へ当たった。

激しい撃ち合いで脱臼した肩を自力ではめると、数回腕を回して戦いに入る。

「困るぜ、お前ら……」

怪しげな笑みとともに、大鎌を取り出すオウル。

「悪いが死んでくれるかい?」

一瞬ぽかん、とするルフィは、大鎌を差して言った。

「おめぇ、それで俺を倒す気か?」
「そうだ、お前なんか即地獄行きさ、麦わらのルフィ!!」

言い合うオウルの背後に回るロリ。
オウル越しにルフィに許可を求めると、彼は頷いた。
オウルが振り向くより早く、ロリは両手を突き出した。

「……変速奥義——空斬!!」

オウルが自分の体を見て、ハハハッと笑う。

「何だ、外れたか! 吃驚させやがって——悪いが、お前も終わりだ!」

そう言って一歩足を踏み出すと、体が真っ二つに割れた。
不思議そうに自分の体を見るオウル。

「……速く斬られたものは、もう一度くっつく——これが変速よ。」

横をするり、と軽やかに通り過ぎるロリ。
語りかけるように、言った。

「空気で斬ったものだから、体に影響は無いわ。でも、暫く使い物にならないかもね」

言い終わるのを、聞いたのか聞けなかったのか——オウルが前のめりになり、倒れる。

「小癪な真似しやがって……!」
「貴方の目の前にいるのは海賊よ。海賊は——何も、遠慮は無い」

冷たく光る目で言うと、オウルは「そりゃそうだ」とかすかに笑い、気を失った。

「お前、命があるやつは斬れねぇんじゃなかったのか?」
「えっと……奥義に関しては別です。——進化前なら無理でしたけど、最近は大丈夫、です」



『サバイバルゲーム参加チーム総数8組、——内オウル船長率いるルージュ海賊団戦闘不能、よって参加チーム総数7組——……。』

ジョーカーが、放送で静かに言った。
ロリは精神的にふらふらな気力で、「阿呆」と呟いて疲労により気を失った。