二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 卍ONE PIECE 空翔ける海賊. \レス100達成/ ( No.134 )
日時: 2011/02/14 18:23
名前: 柚麻 ◆hLMPZ4CBa. (ID: aU3st90g)
参照: ONE PIECE激ラヴ(^ω^) 誰か暴走止めて、!←

第29話〆 宝,


「ん……あれ、ゾロさん」

目の覚めたロリは脳を高速回転させて状況を読んだ。

「お、起きたか。歩けるか?」

自分のいる場所がゾロの背中だと分かると、足に力を入れて確認する。
そして同時に自分が気を失ったことを思い出した。

「歩けると思う……有難う!」

最近、ロリはクルーに敬語を使うのをやめた。
それが信頼の証だというのは、ゾロとルフィの足りない頭を働かせれば分かるくらいの進歩だ。

「大変だったのよ、違う意味で!」
「ナミ! あ、ご免ね」

ナミはオレンジ色の髪を耳にかけると、言った。

「気を失ってから、サンジ君とブルックで取り合いになったの」
「あぁ、……だろうね」

ロリは2人を見てから頷いた。

「で、ルフィは腰の抜けたウソップと暑さでダウンしたチョッパーを抱えてるし、コルーじゃ力無さすぎる。
女組は宝探しに力を入れた結果——ゾロにおぶってもらったの」

人差し指をロリの鼻先に当てて、ビシッとナミが言う。

「力使いすぎたみたいで……ご免ね」

遠慮がちにロリが言うと、ロビンが懐中時計を見せた。

「そんなに消費したのね……——1時間くらい寝てたわよ」
「嘘! ゾロさん、ご免なさい!!」

くるりとゾロに向き直り、腰を折り曲げてお辞儀をすると、ゾロは「別に」とそっけなく言った。

「ロリさん、寝起きにどうですか?」

サンジがコップを手にして目の前に来た。
ロリは煙草の煙を避けて受け取る。

「何、これ?」
「グレープフルーツの果汁を水で割ったもの。サッパリするよぅ」

目を垂らして言うサンジに「有難う」とだけ言うとぐい、と飲む。
乾いた喉を潤すようで美味しかった。

「美味しい! 本当、有難う!!」

本心をできるだけ伝えると、サンジは1m程飛び上がった。

「おかわりもあるからどんどん飲んでください、ロリさん!!」

スキップをしそうな雰囲気で歩いていくサンジに、ルフィが歩み寄る。

「おれにもくれ! 喉渇いた!!」
「ったく、ほいよ」

サンジの呆れた声を聞きながら、ロリは飲み干す。
まだ足に痺れた感覚はあったが、薬が効いてきたのか少しずつ治ってく。

「今どこ?」
「ここよ、……あと少しで着くはず」

ロビンがくすっと笑いかけた。

「……襲撃は?」
「2組くらいかしらね。——ブルー海賊団と、ハックル海賊団」

ロリはため息をついて、状況を詳しく聞いた。
ロビンは淡々と、まるで他人事のように話してくれた。


「ここのはずね」

小さなぬかるみを飛び越えてロリが除くと、宝箱があった。

「皆、遅くないかな? 私達が一番なの?」
「それがね、運が味方してくれたのよー!」

ナミが割り込んで言った。

「来る前、別れた道を行ったでしょ! あれ、あたりだったの」
「他のチームは障害でボロボロ、運悪く命を落とした人もいるわ」
「つまんねぇよなー。槍が飛んできたりするの楽しみだったのに!」

ルフィは不満げに口を尖らせているが、ナミはお宝目当てだけに生きているので関係無い。

「残っているのは私達と、——スーマン海賊団だけなの」

ロビンが言った瞬間に、後ろから声がした。

「お宝はおれらのもんだ!」
「あんた達、その箱を置きなさい!!」

頬から血が流れている男と、同じようにボロボロになった女がいた。
その後ろから「船長、待ってくださーい」と情けない声を出して追ってくるクルーが3名程。

「おれは懸賞金1億ベリーの大物、ダージャン・ベリウスだ!! 命が惜しいやつは逃げろ!!」
「おれはルフィ!」

親しげに手をふるルフィに、ベリウスの血管が切れた。——ようだ。

「てめぇの名前なんか聞いてねぇんだよ!!」

銃を構えて撃つベリウス。
ロリが撃とうとしたが、ルフィが止めた。
そのまま息を吸い込んで巨大化すると、お腹に力を入れて跳ね返す。

「おぅ、能力者か! 見くびってたぜ、只の運が良い海賊団よぉ!」

ナイフで切りつけてくるベリウスを見て、ロビンが手を組んだ。

「百花繚乱」

百本の手が走ってくる男の進路を変える。

「お返しするわ」

そのまま持ち上げて女のところに投げ飛ばすロビン。
ロリは力が使えることを確かめて、女の足元を狙って言った。

「空固!!」
「何よこれ、動けないじゃない!! あんたね、解きなさい!!」

ロリに向けて銃を撃つが、サンジが足で薙ぎ払う。

「ったく、可愛いレディが物騒なことしやがって……」

吃驚した様子でサンジを見る女は、鋭い犬歯を見せて叫んだ。

「黙れ! この懸賞金9000万ベリーのヒュラ・エッジュが倒してやる!!」

そして右腕を左手ですぅっと撫でると、大きな羽が出てきた。

「今度は何をしても無駄よ、これは当たれば当たるほど数が増えるからね!!」

ルフィとゾロ、サンジで弾き飛ばすが、数は増えていく一方だ。

「ははっ、総額12億の海賊団でも、この黒羽は消せないようね! さぁ、刃物の餌になればいい!!」

怪しげな笑みとともに、エッジュが叫ぶ。
ロリは自然体で立ち、腕を組む。
3人に下がるよう指示し、ギリギリのところで叫んだ。

「——空固!」

大きな空気の壁は黒羽を弾き返し、消すまでの威力を纏った。

「あー、もう力出ない。……止めは宜しくお願いします!」

ぺたん、と座り込むロリ。
ルフィが殴り飛ばして気絶したところで、残ったのは麦わらの一味だけとなった。




長文ご免なさい!orz