二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 卍ONE PIECE 空翔ける海賊. \レス100達成/ ( No.152 )
日時: 2011/02/20 10:52
名前: 柚麻 ◆hLMPZ4CBa. (ID: aU3st90g)
参照: ONE PIECE激ラヴ(^ω^) 海賊王におれはなるのよ、←

第33話〆 新しい仲間


「兄貴はよ、拳銃使う技が飛びぬけて上手だったんだ」

懸賞金リストを懐から出し、ぱらぱら捲るヴィル。
随分昔のもので、まだルフィが1億ベリー、ロリが1億2000万ベリーのころのものだった。

「これだよ、リジット・クロウディ」

出された紙を見ると、ヴィルに少し似た少年がいる。
当時少年だが、もし今生きていたら大人っぽい顔つきになっているだろうと思わせるような顔だった。

「それで?」
「黒ひげに、うちの海賊団に入れって脅迫されたらしいんだよ。そん時おれもいたんだが、能力で隠してもらった」

遠い目をして言うヴィルに、ロリが聞いた。

「能力?」
「カベカベの実の能力者。おれと兄貴の間に空気の壁をつくって、隠してもらったんだ」

ルフィは「ん?」と首を捻ると、聞いた。

「黒ひげは、相手の能力を吸い込むんだろ? ばれなかったのか?」

核心をつく疑問に、ロリは吃驚しつつヴィルの言葉を待った。

「あぁ、ばれなかった。……そんだけ、兄貴はすごかったんだよ」

少し誇らしげに、ほとんど悲しげな顔で言うと手のひらを見せるヴィル。

「おれはミズミズの実の能力者。……海水じゃなければ操れる」
「だから水神なのね……」

ロリは頬杖をつくと言った。

「あいつは、おれの兄貴の命を奪ったんだ! だからおれも海賊になって、強くなりたかった」
「じゃあ尚更ね、入ってよ! 麦わら海賊団に——」

ロリは立ち上がって笑う。
心の底から微笑んでいる顔で言うロリは、さっきまでとは大違いだ。

「……強くなりたいなら、入ればいいわ」

歌うようにつぶやくロリ。

「ルフィ、だったな。……命の保障は絶対、しろよ?」
「お前が弱くなかったらな!!」

2人の伸ばした拳が、こつんと音を立てて重なった。

麦わらの一味に、また1人——ヴィアル・クロウディが加わった。