二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 卍ONE PIECE 空翔ける海賊. \レス100達成/ ( No.167 )
- 日時: 2011/02/23 18:09
- 名前: 柚麻 ◆hLMPZ4CBa. (ID: aU3st90g)
- 参照: ONE PIECE激ラヴ(^ω^) 海賊王におれはなるのよ、←
第35話〆 獣島`
「うっはぁ、島が見えてきた!」
フランキー製作「びっくりプール」から出たばかりのルフィは、まだ髪から雫が滴り落ちている。
手すりに上って島を眺めるその姿は、少年そのものだ。
「あ、ロビン……」
ロリが甲板にいるロビンを見つけて階段を下りていると、カクッと力が抜けて落ちそうになった。
幸い手に力が入ったので、手すりを掴むと片手を挙げる。
「空流……」
すいっ、とロリの体がロビンの前に運ばれてきた。
どうしても力が入らないときは、こうしている。
「次の島は?」
「獣島……獣だらけの島よ」
ニコリと笑いかけていうロビン。
読んでいた本に栞を挟むと、続けた。
「冒険するのにうってつけね」
「へぇ、楽しみ!」
ルフィが手すりから降りて叫んだ。
「よっしゃあ、上陸準備だ!! あっと、ロリはいいや!」
さりげなく言うルフィに微笑むと、ロリはロビンに言った。
「……ロビン、私……誰にも捕まらないから」
前に貰ったメモは、毎日何度も見ている証拠に角が丸くなっている。
「分かってるわ、ロリ・D・イーテ……麦わら海賊団のクルーさん」
囁くように言うと、イカリをおろしに行くロビン。
ヴィルが面倒くさそうにロープを下ろしているのが目に入る。
——獣島……ここで、何かが起きようとしていた。
「大自然!!」
キラキラした瞳で言うルフィ。
良くその頭で「大自然」という言葉が出たな、とロリは感心しながら降りると、そこはもうジャングルとしか言いようの無い場所が視界いっぱいに広がった。
「サンジー! 海賊弁当くれ、海賊弁当!!」
扉を開けて風呂敷に包んだ箱を渡すサンジは、いつも通り煙草を吸っている。
ロリはさりげなく火と煙が来ない場所へ移動すると、風で靡く髪を押さえた。
「……あ、身っ喰い終わったのね」
いつも通り動く手足を見つめて呟くロリ。
その言葉を聞き逃さなかったナミが噛み付いた。
「あんたね! 力無いなら言いなさいよ!!」
「えっ……と、迷惑かけたくないから、つい……ね?」
慌てて言うと、ナミの瞳はチョッパーに向いた。
「チョッパー、あんたも知ってるなら言いなさい!」
「悪魔……!」
後ろでコルーの悲鳴が聞こえたが、ナミはそれには怒らずに今度はルフィに歩み寄った。
「ルフィも、ちょっとは心配しなさいよね!!」
「おれ、知ってたぞ。ゾロもだよなー!」
眠そうに目をこすって頷くゾロ。
ナミの怒りが頂点に達さない内に、ロリ達はそそくさと島へ向かった。
その光景を、幾数もの眼が見ていた。