二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 卍ONE PIECE 空翔ける海賊. \レス100達成/ ( No.171 )
日時: 2011/02/24 16:04
名前: 柚麻 ◆hLMPZ4CBa. (ID: aU3st90g)
参照: ONE PIECE激ラヴ(^ω^) 海賊王におれはなるのよ、←

第36話〆 獣島の、獣。


「暑……」

ナミが着ていたパーカを脱いで腰に結んだ。

「そう? 丁度良いよ」

その場でくるっと一回転すると、軽く手を広げるロリ。

「そんなに暑いなら、試そうかな……空冷[KUUREI]

呟いてから、ナミを包むように手を丸めると、ふんわりとした空気の層がナミに吸い込まれていった。

「何これ! 寒っ!!」

慌ててパーカを着なおすと、ロリを睨んだ。

「あ、やっぱりまだ駄目か……ご免なさい! ——空癒」
「良いけど、何よ、今の!」

好奇の目で言うナミ。

「本当は、空気を冷やすのに使うの。それを応用してみたんだけど、やっぱりまだ加減が出来なくて」
「じゃあ、あたしのクールボールみたいなものね」

天候棒[クリマ・タクト]をくるんと回して、冷却した玉をつくる。
ロリは少しそれに触れて、感心した声をあげた。

「やっぱり航海士さんだなぁ。こういう加減、どうやったら出来るんだろ……」
「どう、恐れ入った?」

冗談ぽくナミが苦笑すると、ロリは真面目な顔をした。

「……駄目だな、あたし。これじゃ皆を傷付けちゃう……」
「なーに言ってるのよ。コルー、海賊弁当貸して!!」

ルフィの隣にいたコルーが差し出すと、その中から肉を取り出すナミ。

「ナミ、それおれのだぞ!」
「良いでしょ、ちょっとくらい! はい、食べる!!」

無理矢理ロリの口に押し込むと、頭を叩く。

「いい? あたし達は、皆自分のことは自分で守れるの!! あんたは、自分より先に仲間を優先してどうするの?」
「……ナミ」

頭を叩かれたときに舌を噛んだので、顔をしかめて言うとナミは笑った。

「強くなるんでしょ?」
「ええ……誰よりも、強くなる」

肉を噛んで食べ終わると、右の手の平を広げるロリ。
左手に拳をつくり、打ち付けると歩き出した。

その横から、牙が現れた。
それが何かの動物であるのは分かっているのだが、巨大すぎて牙が襲ってきたとしか思えなかった。

「空固!!」

ガキン、と重なり合う音がして、空固が破れた。

「何だぁ、あいつ!」

ルフィが殴り飛ばすと、後ろからもう一匹飛んできた。
ロリが銃弾を打ち付けると、また正面からもう一匹——。

いつの間にか取り囲まれていた。
よく見ると、それは狼のような動物だった。

「何だこいつら! 500匹はいるんじゃねぇか!?」

サンジが煙草を銜えなおして言うと、珍しくゾロも同感した。

「それ以上かもしれねぇがな!」

なぎ払っていくが、数が減る感覚がない。
ロリはため息をついて、ルフィに向いた。

「……私が今から使う技は危険だから、……ウソップさんとコルーの前に立って」

ルフィが言われたままに動くと、ロリはにやっと笑って目をつむる。

「……私の正体が分かると思うけど、気にしないでね?」

ルフィに言うと、そのまま背を向けるロリ。
体中の威を集めて、獣達を威圧した。

途端に腹を向けてひっくりかえる獣達。

「——覇王色の覇気……!」

ロビンが目を見開いて、周りの獣を見ると、もう皆が気絶している。

「何だ、これ!」

ウソップがわなわな震える足を抑えて言う。
コルーは、ルフィが前にいながらも気絶気味だ。

「……良い眠りを——」

ロリは不敵に笑うと、目を細めた。