二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 卍ONE PIECE 空翔ける海賊. \レス100達成/ ( No.175 )
日時: 2011/02/25 17:55
名前: 柚麻 ◆hLMPZ4CBa. (ID: aU3st90g)
参照: ONE PIECE激ラヴ(^ω^) 3D2Y⇔激愛*/

第37話〆 真意

「おかしな話でしょ。見聞色と武装色が使えないのに、覇王色だけは使えるのよ」

肉を食い千切りながらロリが言う。
闇の中で、焚き火がパチパチと音を立てている。

「……私のこと、全部話すわ。少し、長くなるけど——」
「それが、あんたにとっての信頼なら……どんなに長くても、話して」

ナミが強い目でロリを見た。

「……まず、祖母は"覇気"の第一発見者よ。名を、ゼアン・D・イーテと言い、うちの家系は"Dの血を引く者"なの」
「ちょっといいか?」

ゾロが酒の入った瓶を置いた。

「お前、何で偽名を名乗ったんだ?」
「私は、父母が消え去ったとき……自分を捨てたかったからって言うのが一番合ってる。初めに見せた手配書も、偽造よ」

ゾロは妙に納得した顔で、続けるよう促した。

「ゼアン婆様は、母に全てを教えてからこの世を去った。——次に祖父だけど、祖父は誰も知らないから、言わないでいいと思うわ」

ロリは苦笑すると、「何か、質問ある?」と聞いた。
ウソップが立ち上がって、聞いた。

「お前の実について、知ってること全部教えてくれねぇか!」
「……知ってる範囲なら、良いわ」

鞄から本を取り出す。
それは、ロビンにもらったあの本だった。

「——ソラソラの実。主に空を操れる実で、本人の熟練度が上がると進化する」
「それって、前のあれか?」

ウソップの問いに頷く。
後ろでは、そのことを知らないヴィルにチョッパーが教えている。

「苦手なのな火、煙、海水。進化後、身っ喰い症状有り——これだけしか、分からない」

あとは技名がずらりと並んでいる。

「……私が船の上で倒れていたのは、皆知ってると思うけど……今日は、私の真意も教えておくわ」

サンジの用意したデザートを頬張りながら言うロリ。

「……私、迷ってる」

がぶりと肉に噛み付いていたルフィの手が止まった。

「お父さんについて行けば……皆を傷つけないで済んだかもって……」
「まだ言ってるの? いいって言ったでしょ!」

ナミがきつい声で言うが、ロリは続けた。

「この船を下りたら、あたしの居場所はあるのかな……?」

その言葉が、夜の闇にくぐもって響く。

「寝ようか。……明日も、冒険するんでしょ?」

泣き笑いでロリが言い、寝転ぶ。
クルー達は、さっきの言葉を気にしながらも眠りについた。