二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 卍ONE PIECE 空翔ける海賊. \レス100達成/ ( No.183 )
日時: 2011/02/27 11:38
名前: 柚麻 ◆hLMPZ4CBa. (ID: aU3st90g)
参照: ONE PIECE激ラヴ(^ω^) ボンちゃんの行方が気になる人です。←

第41話〆 サンジの崩壊


船から飛び降りて、砂浜を少し歩く。
身っ喰いを無理に散らしたので、体がだるい。

「……大きい島」

輝いた目をして降りてくるルフィ。

「おっし、冒険だ冒険!」

虫取り網に、籠、そしていつもの麦わらぼうし——パッと見、海賊には見えない格好だ。

「ルフィ、……どこいくの?」
「んー? どっか!」

あっけらかんというルフィ。

「……分かった。ロビン、ナミ! 行こう」
「ちょっと待ちなさいよー! あんた達絶対迷子になるでしょ。」

ナミがルフィ、チョッパーをさして言う。
ウソップを指そうと思ったが、面倒なのでやめておく。

「私も行くわ」

ロビンがサングラスをかけて降りた。

「ロリさぁーん! 僕も行きます!!」

サンジがここぞとばかりに降りてくる。
幸い、煙草を吸っていないので承諾した。

「ん……なんか、血の臭いしねぇか?」

ルフィがナミ曰く"野生のカンが利く鼻"を動かして言った。

「あ、……もしかして、こっち?」

ロリが東を指すと、ルフィは頷いた。
歩き出すルフィとロリを見て、サンジとロビン以外の全員が止めた。

「ちょ、ちょっと! 罠かもしれないでしょ!」
「そうだぜ、無謀だろぉ!」

情けない声を出すウソップ。
ルフィはははっと笑って言った。

「大丈夫だって、ロリいるし!」
「懸賞金4億8000万ベリーを舐めないでくださーい」

後は無視して歩く2人。
ナミはだんだんロリが"ルフィ化"していっているかもしれない、と疑問に思った。

「ロリさんがいれば地の果てまでついていくよぉっ!」

サンジが蠅のようについてくるので、本音を言うと地の果てまで行ってほしかったが、ぐっとこらえた。
とりあえず2人についていくと、女が倒れていた。

「……生きてんのか?」

チョッパーが慌てて仰向けにして、傷口を調べる。
医療器具が足りないと言い、船に戻る道へ入った直後、女が目を覚ました。

「……えーと……」

きょろきょろと辺りを見回す女は、ロリを見て動きを止めた。

「——失礼だけど、名前は?」

傷のわりに元気な女を見ると、ロリは安堵の息を漏らして答えた。

「ロリ・D・イーテと申します」

もうその答えに迷いなどもっていない。
只、淡々と答えた。

「……やっぱり、貴方なのね」

すくっと立ち上がる女は、顔を拭った。
血が拭き取られ、顔が分かった。

キリッとした目つき、高い鼻、厚い唇——そのまま人形にでもできそうな美貌の持ち主だった。

「なんと美しい! 初めまして、サンジといいます!」
「あら、貴方がロリの仲間ね! よろしく」

傷口を押さえて言う女。
ロリは青ざめた顔で叫んだ。

「……お母さん!?」
「そうよー、さっき寝ぼけてお腹斬っちゃったのよ、間抜けでしょ!」

うふっと笑って言う女——デリ・D・イーテ。
腰に挿した短刀に赤色が見えた。

「……間抜けよ、大間抜け! あの監獄から抜け出して、どうするつもりだったの!!」
「ん? ぶらぶら過ごそうかなって!」

ロリは母をぶん殴りたかったが、抑えた。

デリは、そのまま笑っている。
——サンジが、そのまま見とれて倒れこんだ。