二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 卍ONE PIECE 空翔ける海賊. \レス100達成/ ( No.187 )
日時: 2011/02/28 18:30
名前: 柚麻 ◆hLMPZ4CBa. (ID: aU3st90g)
参照: ONE PIECE激ラヴ(^ω^) ボンちゃんの行方が気になる人です。←

第42話〆 母と娘と、麦わらぼうし <前>


「サンジー!」

チョッパーが慌てて医療器具を広げる。
大量出血により気絶したサンジ——幸せそうな顔なので放っておく。

「お母さん、何してるの!? 早く戻りなさいよ!」
「嫌よ、折角ジョーカーが助けてくれたのにぃ」

ロリの大人っぽい性格とは裏腹に、駄々っ子そのままのデリ。

「あんたねぇ……どうして行く先々でこういう人に会うわけ?」
「私は無神論者だけど、神様がいたらぶん殴ってやりたいくらいの偶然なの!」

まくしたてると、ナミは引きつった笑みで頷いた。

「ジョーカーに会ったでしょ? 何て?」
「——仲間になれって」

ぶすっとして答えると、ルフィが叫んだ。

「おい、おばさん! おばさんまでロリを引き込むんじゃねぇよな!」

デリが視界から消えた。
ロリは「ルフィさん、飛んで!」と大声で言うと、ルフィは慌てて飛んだ。

ロリが叫ぶのがあと1秒でも遅かったら、ルフィの足はなくなっていただろうと思わせる跡が残る。

「おばさん……?」

指の関節をコキッとならすデリは、もう恐怖の塊でしかなかった。

「お母さん、やめて! ……ったくもう……空重!!」

ガンッと鈍い音がして、デリが倒れる。
ロリは冷たい目で言った。

「仲間を傷つけたら、いくらお母さんでも海軍につきだすからね!」

デリはため息をつくと座った。
チョッパーがサンジの血液を混入して、安全を確かめると言った。

「今まで、……デリさんはどこにいたんだ?」

一瞬だけ放たれた殺気に、チョッパーは思わず後ずさる。

「インペルダウンにジョーカーが来てぇ、君を出すって言われたの。
脱出してから、2ヶ月身を隠してたわぁ」

おおらかに話すデリ。
ロリは空斬を使いたくなったが、必死で抑えた。

「それで、今寝てたら寝ぼけてお腹斬って、痛がってたらロリに会えたのー! 神様、やるわねぇ」

ロリはもう限界だった。
子供同然、精神年齢は11歳ほどのこの女を見ていられなかった。

「空斬!!」
「あら、……酷いわね」

デリは斬撃を手でなぎ払った。

「流石ね、デリ・D・イーテ——そこらの海賊と違うわ」

ロビンがそこらの海賊——ウソップとチョッパーを見て笑う。
怯えている2人を見ると、ロリの殺気も消え失せた。

「さっき、私のことデリ・D・イーテって言ったわよね? 私、デリ・ディーテよ?」

きょとんとした顔でいうデリ。

「あぁ、そうか……お母さんって、本当はDの血を引く者なのよ」
「へぇ、Dの血を——……ん、あれ?」

一瞬不思議そうな顔をするデリは、次の瞬間叫んだ。

「えー!! 何それ、私が!?」

ナミは影でルフィに言った。

「ロリと全然違うわよね……」

その呟きはルフィにしか届かなかった。