二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 卍ONE PIECE 空翔ける海賊. \レス100達成/ ( No.190 )
日時: 2011/03/01 18:11
名前: 柚麻 ◆hLMPZ4CBa. (ID: aU3st90g)
参照: ONE PIECE激ラヴ(^ω^) ボンちゃんの行方が気になる人です。←

第43話〆 母と娘と、麦わらぼうし <後>


「ルフィ君」

デリが、さっきまでの精神年齢11歳のときとは全く違う顔で言った。
キリッとした目を細めて、力強く笑うデリ。

「——ロリをお願いね」
「おう、勿論だ!」

ルフィはははっと笑うと、周りの空気が冷めるのを気にせずに言った。

「おば……デリ、今初めてロリに似てるって思ったぞ! 今までのデリは、子供みてぇだったもんなー!」

自分が子供らしいのも棚にあげて言うルフィ。
デリはまた冷めた目でルフィを見る。

「はいはい! お母さん、心配しすぎだから」

間に入るロリ。

「それで、これからどうするの?」

母に聞くと、とんでもない答えが返ってきた。

「奴隷解放に出掛けるわ」

人懐っこい笑顔で言うデリに、全員がポカンと口を開ける。

「だから、まずシャボンディ諸島に行くわ。天竜人の目を盗んでぇ、奴隷解放! なんてかっこいいの……ねっ、ロリ!」
「ば、馬鹿なこと言ってるんじゃないわよ! 何よ、奴隷解放って!!」

ウソップとチョッパー、ナミの顔が青ざめる。

「デリさん、どういうことか分かってる!? 奴隷解放よ、奴隷!」

ナミがまくしたてるが、デリはのほほんと笑って言った。

「大丈夫よー、強いもの! スリルあって楽しそうだし」
「強いのは分かってるけど、天竜人よ、天竜人!!」

ロリも精一杯止めたが、デリは聞き流した。

「大丈夫よ、ロリ。あんただって、いつか壁にぶちあたるんだから! それなら違う壁にぶつかってった方がマシよ」

デリはそういうとサンジを向く。

「じゃ、ロリをよろしくね!」

途端に敬礼をするサンジ。 目がハート型なのは放っておく。

「まかされましたぁっ!!」
「それから、ルフィ君」

んあ、と間抜けた声を出すルフィ。

「その麦わら帽子、シャンクスのものでしょう?」
「デリ、シャンクス知ってるのか!?」

真剣な目で迫るルフィに、デリはにこりと笑いかけた。

「ちょっとね。……じゃあ、気をつけて、良い航海を!」
「お母さんもね。早目に捕まるのよ!」

最後まで憎まれ口を叩くと、デリは笑って走り去った。

「ったくもう、何よ、奴隷解放って! 馬鹿げてるわ、あの女!」
「おばさんは、シャンクス知ってんのかー……。」

ルフィはロリの愚痴も聞き流し、麦わら帽子を押さえた。

「……デリ・D・イーテ……」

ロビンが立ち上がり、船へ戻る道を歩き出す。

「——シャボンディで、奴隷解放——ジョーカーはどう動くのかしらね?」

静かに言うと、颯爽とした風が一味の間を通り抜けていった。