二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 卍ONE PIECE 空翔ける海賊. \レス200達成/ ( No.204 )
日時: 2011/03/06 20:57
名前: 柚麻 ◆hLMPZ4CBa. (ID: aU3st90g)
参照: ONE PIECE激ラヴ(^ω^) ボンちゃんの行方が気になる人です。←

第45話〆 シャボンディ諸島にて


「ついでに、ジョーカーも手伝ってね!」

デリはくるんと振り向くと言った。
ジョーカーは2秒、唖然としていたがすぐ叫んだ。

「馬鹿言うな! おれはお前の趣味に付き合うほどおめぇを慕ってねぇよ!」
「良いわよねー、ルキちゃん! スリル満点よぅ?」

今度は右に180度回転して聞く。
ジョーカーは慌ててルキを止めようとしたが、遅かった。

「ええ、勿論!」
「待てよルキ! お前、この船の船長誰だと思ってるんだ!!」

全力で止めたが、ルキは風に靡く髪を押さえて冷たい目を向けた。

「じゃあ、私にも考えがあります。船長が、ワインセラーに大事そうにとってあるワインを処分します。」

船長、の部分を強く言うルキ。

「ちょっ、待て待て! もしかして、それ——……」
「はい、船長がゴールド・ロジャーに貰った、あのワインです」

ジョーカーはため息をついて、デリを向いた。

「分かった、協力はする」

デリは「有難う、ジョーカー!」と笑いかけると、シャボンディ諸島38番グローブに降りた。

「じゃあまずは遊園地ね!」
「は、……おい。奴隷解放に来たんだよな?」

ジョーカーはデリの腕をぐわしと掴むと、睨んだ。

「そうよー。忘れるわけないじゃない!」
「じゃあ何で遊園地なんだ?」

デリはにこりと笑って腕を振り払うと、透き通る、美しい声で答えた。

「女の醍醐味、娯楽よ! ショッピングもしたいなぁー。」
「よし、行くぞ。ルキ、クイン! 付いて来い」

クインと呼ばれた金髪の女が出てきた。
まだ少女と呼ばれてもいいくらい幼い。

「分かりました。でも、何処へ?」
「決まってるだろ、ヒューマンショップだよ!!」

毬だらけのような声で言うジョーカー。
そして、嫌がるデリを引っ張って1番グローブへ歩いていった。


「ふわー、見事ねぇ」

大きな建物を見上げて子供っぽく言うデリ。
ジョーカーは子供の世話をする母の役目の辛さが分かった気がした。

「じゃあ、行きましょう」
「……何処へ?」

嫌な予感を持ちながらも、恐る恐る尋ねる。

「勿論、檻よ。そこで鍵を外してバシッと出しちゃうのよー!」
「論外! 絶対無理だろ。ちょっとは考えろよ!」

ジョーカーの訴えを右手で制すデリ。
細く鋭い目が、ジョーカーを黙らせた。

「……私は、お母様から覇気の全てを教えられたのよ。捕まる訳無いでしょう?」
「だけどな——……。」

デリは猫が日向ぼっこしているような笑顔を向ける。

「私の能力、忘れた?」

ジョーカーは数秒黙っていたが、すぐ答えた。

「忘れようと思っても、忘れられないんだっつの。——ロリと2実で一対の異例中の異例——」

デリはその先を歌うように言った。

「ロリがいないと力半減という、得体の知れない危険物質——サンサンの実の、日照り人間!」

人差し指と中指をたて、自慢げに言うデリ。

「大丈夫よ! 私は他にも海界の覇気使いって言われてるんだから」
「分かった分かった。突入すればいいんだろ……って言ってもな、奴隷以外に入れないんだぞ?」

デリは「そうだったぁ!!」と当たり前のことを思い出し、周りをあたふたと歩き回った。
ジョーカーはもうさっきまでのあやふやな笑顔を消し、強い笑みで言った。

「待てよ、デリ。おれがいるだろう……?」

イトイトの実の能力者——ジョーカーはヒューマンショップの入り口を潜り抜けた。