二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 卍ONE PIECE 空翔ける海賊. \レス200達成/ ( No.211 )
日時: 2011/03/07 18:10
名前: 柚麻 ◆hLMPZ4CBa. (ID: aU3st90g)
参照: ONE PIECE激ラヴ(^ω^) 覇王色に憧れる、←

第46話〆 覇王色の覇気


「こんにちはー!」

続いてデリも扉を押して中に入る。
この店の司会者であるMr.ディスコが不思議そうな顔をして2人を止めた。

「お客様、お待ちください。もう席はいっぱいでして——……」
「あら、私を止めるの?」

デリの冷たく光る目がディスコを捉える。
ジョーカーはマントで顔を隠し、デリを制した。

「お前の出る幕じゃねぇ。——糸人形[マリオネット]」

呟き、ディスコの額に人差し指を当てるジョーカー。
以前ロリに使ったとき同様に、直立不動の体勢になるディスコ。

「通してもらうぜ」

ディスコは声もなく立ちすくんだ。
動くことも、喋ることも出来ずに2人を睨みつける。

「売られる奴らは……こっちか」
「ええ、裏側を回って行きましょう」

デリが先頭になり、ずんずんと進んでいく。

「貴様、顔を見せろ! ディスコさんを元に戻せ!!」
「あら……お行儀の悪い子ね。」

銃口を向けた男をちらりと見て、デリが静かに言った。

「ジョーカー、やっちゃって。先にいってるわ」
「クイン、デリがやらかさねぇよう見張っとけ」

失礼ね、と言い残して去ろうとするデリに、銃弾を撃ち込む男。
デリは避ける動作も見せず歩き出す。

「……蜘蛛[スパイダー]」

ジョーカーの手から黒い糸が飛び出し、銃弾に巻きつく。
そのまま手を引っ張り、銃弾を掴むと男に弾き返した。

「悪ぃな、うちのが迷惑かけて」

苦笑して後を追うジョーカー。
男は赤く染まった腕を抱え、呟いた。

「……——悪魔」


「皆さん、こんにちは! デリ・ディー……っと、デリ・D・イーテです!」

明るく振舞うと、檻の中の女がじろりと睨みつけてきた。

「……もう売る時間かい?」
「いいえ、貴方達を解放しにきたのよ。落ち着いてね」

それを聞いてか、檻の門番が飛んできた。

「貴様、デリ・ディーテか!! 捕まえてやる!」
「あら、デリ・D・イーテよ。間違えないで!」

デリは不機嫌そうに言いながらも、腰に吊るした鍵束を見つける。

「……ご免なさいね! ——鍵、貰うわ」

デリは片目を瞑り、威圧した。
男は暫く立ちすくんでいたが、すぐにばったりと倒れこんだ。

「——鍵、頂くわ」

そして腰からチャリッと音を立てて奪うと、檻に向かって歩き出す。

「はい、怖かったでしょ」
「……檻が……」

さっきの女が転がるように出てくる、

「あぁ、その首輪も外さないとね!」

語尾に音符でもつきそうな勢いで言うと、首輪に手をかけるデリ。

「やめなさいよ、死んじゃう! 誰か……」

ピピピピピ……と鳴り響く首輪。
デリはガチャリと音を立てて握りつぶす。

「武装色を応用すれば、簡単なのよ」
「……壊れた——解放された、の?」

デリはにこりと笑って、女の背を押した。

「あっちから出られるからね! 良い人生を!」
「有難う! ……いつか会えたら、恩は返すから!!」

女は涙を拭きながら走り去った。
——デリは次の檻に鍵を通し、カチャリと音をさせて開け放った。