二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 卍ONE PIECE 空翔ける海賊. ⇔コメ200達成! ( No.213 )
- 日時: 2011/03/09 17:39
- 名前: 柚麻 ◆hLMPZ4CBa. (ID: aU3st90g)
- 参照: ONE PIECE激ラヴ(^ω^) 覇王色に憧れる、←
第48話〆 リィフ×デリ
「全く、何です? 承諾もしていなのに、半ば強引に船に連れ去るとは! 確かに私、逃がしてほしいと言いましたけど、船に乗せてほしいとは一言も言っていないのです!!」
耳元で怒鳴られ、ジョーカーの後ろへ避難するデリ。
リィフは舵をきっているルキの元へ歩いていって、叫んだ。
「大体、ルキ! 何故もう出航しているのよ!」
「ん、駄目だったの?」
本当にさらっと言うと、目的地を探るルキ。
「ちょっと待ちなさい! 私、この船から下りるのです!!」
「待ってよ、——天竜人に飼われた——アンジール=リィフさん」
デリはジョーカーに聞こえないように言い、反応を待った。
「だから何故それを知っているのですか! 人前で口にしないでくださる?」
「じゃあ、この船から下りるなんて馬鹿なこと言わないでね?」
渋々近くの椅子に座るリィフ。
ジョーカーは「悪ぃな。悪気はねぇんだけど、うちのが五月蝿いんだ」と額をつつく。
これでリィフは身動きがとれない状態だ——悟ったジョーカーの頬に、赤い血が滲む。
「私の能力と力を馬鹿にしないでくださるかしら……海楼石を全身に押し付けなくては止められないんですわよ。お分かり? ジョーカー・D・イーテ」
「ったく、我侭な姫さんだ。分かった、そのまま話を聞こう」
デリはしゃがみこむと、リィフに向かって囁いた。
「貴方は、逃げられたはずでしょう? どうして逃げなかったのかしら」
「分かっているのに聞くなんて悪いお人ね。探索に決まってるでしょう……海軍本部にも行き届かない人身売買のことを、探索するためよ」
短く、淡々と言うリィフ。
「天竜人は、私から何もかも奪ったのです。そんな非道なことをする奴らを、探索したいのです」
「あら、……てっきり仕返しかと思ったわ」
チロリと舌を出してデリが言う。
蛇が兎を追い込んだような鋭い目でもう一度尋ねた。
「じゃあ、天竜人に逆らわないの? 貴方くらい強いのなら、わけないでしょう?」
「馬鹿なこと言わないでくださるかしら——海軍本部にたてつくようなことはしないのが私の美学ですわ」
少し笑って言うリィフ。
デリは質問を変えることにした。
「タイヨウの海賊団には入らなかったのね」
「ええ。あそこに入るほど弱くないから、独りで充分なのです」
デリは目の前にいる女が、どういう人物が図り損なった。
というよりも、分からないという方が性格かもしれない。
「私を在る場所へと連れて行ってくださるのなら、全てを話しますわ」
リィフの交換条件を聞き、デリは笑った。
船は、"逆方向"へと進路を変え、ゆっくりと進みだした。