二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 卍ONE PIECE 空翔ける海賊. ⇔コメ200達成! ( No.220 )
- 日時: 2011/03/13 17:00
- 名前: 柚麻 ◆hLMPZ4CBa. (ID: aU3st90g)
- 参照: ONE PIECE激ラヴ(^ω^) 覇王色に憧れる、←
番外編 Ⅰ
デリ×ジョーカー ■インペルダウン編②■
「何しにきたの!? どうやって入って……」
「お前を此処から逃がす」
言うだけ言うと、ジョーカーはデリの手錠を握り立ち上がらせる。
「おれの知り合いに鍵師がいるんだ。そんな手錠すぐ外れる」
「待ちなさい! 私はもうここにいるから離して!! 地上ですることなんかない!」
誰かに見つからないように小声で言うと、辺りを見回す。
小電伝虫が向こう側を見ている。
「あるだろ! ——ジンベエザメ食べるんだろ?」
「……あー、確かに言ったわ」
途轍もない後悔を味わうデリは、もう何も言わなかった。
ジョーカーは足枷を叩き壊す。
隠し持っていた斧で鎖を斬り、投げ捨てる。
手錠は流石に頑丈で斬れず、そのまま放置することにした。
「あーあ、こんな怖い所の見張りとはなぁ」
「どうせならレベル1が良いよな。ブルゴリに任せりゃいいんだしよ」
ぼわんと響く声が聞こえた。
ジョーカーはデリを隠すと、小さな声で「糸人形[マリオネット]」と呟く。
「うわ、……あれ? おい、お前も歩けねぇか!」
「あぁ、金縛りにあったのか? 全然動かねぇ」
ジョーカーは中指から伝わる糸を思い切り引っ張る。
2人の監視下は糸に引き寄せられるようにして壁に激突した。
悲鳴がレベル6中を駆け巡った。
「どうしたんだ一体! この署長の……間違えた! この副署長の眠りをぶち壊しやがって!!」
野心でまくりのハンニャバルが目をこすって出てくる。
「ちっ、来たか……糸人形[マリオネット]!」
運悪くか、良くか——ハンニャバルは伸びてくる糸に気づいた。
「昇格したい! あ、間違えた!! 何だこれ!」
「よぉ、副署長! 出させてもらうぜ」
ジョーカーは野心に耐え切れなくなりデリと共に飛び出した。
「ジョーカー、ストップ! やばいって……」
デリは懸命に止めたが、ハンニャバルはジョーカーを睨む。
「何だお前は! 後ろの女はデリ・ディーテだな?」
「だから言ったのに!」
デリはため息をつくと手と手を出来るだけ近くに寄せた。
「全く、出るのは自分で出るのに」
手首辺りまで近づけると、"海界の覇気使い"——その異名を見せ付ける。
武装色で手錠を壊して、構える。
「助けて貰わなくて結構! こうなったら自分で脱獄するわ!」
「無茶言うな。だから来たんだ」
ハンニャバルは電伝虫を取り出しているところで、デリは目ざとくそれを見ると手をかざした。
「通報、しないでくれますか? ——……太陽[SAN]!!」
手から出た日射は、電伝虫を溶かすまでに達した。
約1000度の高温に耐え切れなくなった電伝虫は殻に閉じこもる。
「出たな、サンサンの実の能力! 護衛呼べ、護衛!!」
ハンニャバルの虚しい声は、レベル6に響き渡った。