二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 卍ONE PIECE 空翔ける海賊. ⇔コメ200達成! ( No.236 )
- 日時: 2011/03/22 17:25
- 名前: 柚麻 ◆hLMPZ4CBa. (ID: aU3st90g)
- 参照: ONE PIECE激ラヴ(^ω^) チョッパーの映画泣いた@
番外編 Ⅰ
デリ×ジョーカー ■インペルダウン編ラスト■
「お礼を……言うべきなんでしょうね、ジョーカー」
デリは久しぶりに見る日差しに目を細めて呟いた。
「有難う。——脱獄しようと思えばできた私を助けに来てくれて!」
「物凄い皮肉に聞こえるのは気のせいか?」
ため息まじりに言うと、ジョーカーは伸びをしながら立ち上がる。
「おれは、これからロリを探すよ」
「当て、あるの?」
2人の間を、午後の爽やかな風が通り抜けていく。
「Dを名乗って、サバイバルゲームでも開くかな。ロリの船長、こういうの好きそうだろ?」
デリも立ち上がってもう一度尋ねた。
「見つけたら、どうするの?」
「……連れ戻して、逃げ回るさ」
普段、ジョーカーの前では素を見せないデリ。
落ち着いた、柔らかい声で答える。
「ロリはそんなこと望んでないと思うけどね。見なさい、この写真」
手配書を突き出すと、ジョーカーはそれを見ずに続けた。
「……分かってるさ。おれだって、楽しそうに笑うロリを連れてこうとは思ってない。だが、お前の脱獄でどうなるか……」
「なら……」
デリは怒りの浮かんだ視線をジョーカーに向けた。
「なら、何で助けたの!? 私が監獄に居ればそんなことにならないでしょう!」
「……お前は、死刑囚なんだ。おれは聞いたんだ——お前は、あと3日で死刑になることをな。」
デリは一瞬唖然としたが、すぐ睨んだ。
「嘘言わないで、こんなときに!」
「こんなときだから言うんだよ。——新聞、見られねぇのか……ほら」
ジョーカーがバサッと音を立てて新聞を投げた。
日付は昨日のものだ。
「……インペルダウンで3日後、海界の覇気使いを討ち取る……じゃあ」
「ああ、おれが来るのが2日遅かったらお前は海軍本部で死刑にされてた」
デリは震える腕を掴んでジョーカーの方を向いた。
「私は、行くわ。助けてくれて有難う」
今度は素直な口調で言うと、ジョーカーは頷く。
「元気でな」
「……貴方もね」
それだけの言葉を残して2人は反対方向に歩き出す。
もう、振り返らない。
お互いの未来に向かって、歩いていった。