二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 卍ONE PIECE 空翔ける海賊. ⇔コメ300達成! ( No.349 )
日時: 2011/08/23 13:37
名前: 柚麻 ◆RZptUkM3IA (ID: a5oq/OYB)
参照: ONE PIECE激ラヴ(∵*`) アラバスタ映画最高、!

第65話〆 カナとユリノ


「この一味にいたら、きっと姉さんも見つけられそう……」

カナはふいに呟くと、にっこり笑った。

「ねぇ、私を麦わらの一味に入れてよ!」
「……はぁ?」

カナは赤い髪を揺らしながら、ロリの手を掴んだ。

「ねぇ、いいでしょ? 姉さんに会いたいの!」

ぶんぶんと手を振ると、ロリはため息をついた。

「あんたみたいな、得体の知れない奴をのせるわけにはいかないわよ。大体ね、リィフだって特例なのに、何であんたまで!」

思い切りまくしたてたとき、ロリはとんとん、と肩を叩かれた。
振り向くと、紙切れを一枚持ったロビンの手がある。

「お姉さんって、その人ね? ——イトリ・ユリノさん」
「そうそう! "わけあり"ってやつで、海軍にいるんだけどね」

紙の中に、目に強い光を宿したカナに似た少女がいた。

「お姉さんって……同い年じゃない」
「そうよ、双子なんだもの。それにすごいでしょ、13歳にして少尉なんだから!」

少尉らしくない子供っぽい笑みの写真。
ロリはくるり、とカナに向き直った。

「何で海軍にいるのよ? 敵を探したいわけ?」
「ううん、姉さんは私を守るためにそこにいるのよ」

わけのわからない理屈で言うカナに、コルーは後ろで首を捻った。

「守りてぇんなら、海賊になりゃいいじゃねぇか」
「姉さんは、担当する捕獲リストの海賊に私を入れているの」

カナは近くにあった切り株に座り込んだ。

「だから他の海軍は私を狙えないの。会ったとしても、ユリノがいないと討伐・捕獲してはいけない規律があるから」
「——だからね」

ロビンが微笑んで紙切れをしまった。

「だからユリノさんは貴方をリストに入れ、追いかけないようにして守っている——」
「あぁ、そういうことですか! 私、感動で胸が震えます!——震える胸、無いんですけどー!!」

ブルックが感動したのかしていないのか、恒例の"スカルジョーク"を飛ばす。
そこにフランキーが腕を組んで言った。

「おい姉ちゃん、今のは"守り方"だ。"守る理由"は言ってないじゃねぇか」
「——鋭いね、えーと……ロボットさん」

思い切り見た目だけで判断し答えると、フランキーは「ロボじゃねぇよ!」とツッコミを入れる。

「んで? 守る理由って、何なんだ?」

ウソップが首を傾げると、カナは顔を伏せた。

「どうせなら、麦わらさん達にも話すわ。合流してくれる?」
「——といわれてもね、財宝が無いと帰れないわ」

ロリがため息をついていうと、カナは驚いた様子で言った。

「厳しいんだね、船長って……」
「違う違う! 厳しいのは、航海士だ」

ヴィルが訂正すると、カナは首を捻った。

「なら、私の船に1億ベリーが積んであるからそれをあげるわ。だから会わせて」

それなら、とクルーは歩き出した。


ルフィ達は何も知らずに、只道を歩いている——。